元整備管理者が教える【クルマのエアコンが効かない!】原因と修理方法(エアコンガス交換編)
(※現役時代の修理日誌からです)
エアコンが効かないという事で車両が入庫しました
早速、点検・故障箇所判定作業に入ります
エアコン吹き出し口を確認して風量・温度を確認
①風量はOK・写真撮り忘れましたが
吹き出し温度が24度位です…吹き出し温度が高いです…
(※この車両の乗務員は夜勤務で最近になって日勤に変わりエアコンがあまり効かない事に気が付いたようです…)
②次に点検する箇所はエアコンコンプレッサーマグネットスイッチですが正常に作動しています…
③次にラジエターコアの詰まり…ゴミも付いてなく割と綺麗です
(ここが詰まるとエアコンが効かないばかりかオーバーヒートの原因にもなります
④次にエアコンレシーバーの確認…上部の丸いガラス窓から気泡が見えるか確認するのだが…目視では判定できず…
⑤次に圧力ゲージを付けて低圧側・高圧側の圧力を確認…
すると⁉️
両方とも圧力0に近い位置(写真撮り忘れました…)
今まで今回の車両は夜のみたまにしか稼働していなかったのでエアコンの効きが悪いという事もあまり感じなかったのではと…
エアコンガスが入ってないという事で配管系統の漏れの確認を兼ねて真空引きをします…
真空引きポンプに圧力ホースを繋ぎ20分程、真空引きをします
20分経過後…真空引きポンプを止め真ん中の緑のバルブを閉めて漏れがないか10分程、放置…10分経過後…760パスカルから針が動かなければ低圧・高圧の配管系統漏れ無しと判断…ガス注入作業に入ります
この車両はガスが600G入ります…車種やダブルエアコン車によっては更に入ります…また軽自動車・小型車は400gくらいです…わからない場合は車両取扱説明書かデーラーのサービス課に確認して作業して下さい
真空引きポンプから外した圧力ホースにカートリッジガスを接続して注入開始…最初の一本目はエンジンを掛けずに…ガス注入は一気に入れるとホース内や接続部などで凍結して入らなくなるので逆さにしたり缶を振ったりせず少しずつ注入する…少なくなってきたら人肌やぬるま湯などで最後まで使い切る…
ガス1本目注入完了…ここで針の動きに変化が無いか5分程、放置…変化が無ければ漏れ無し再確認でエンジンを掛けて2本目と3本目を注入
(エアコンスイッチは風量・冷え位置とも最大の位置でセット)
3本、600G注入完了…低圧側が0,3ヘクトパスカル、高圧側が1,3ヘクトパスカル…
規定値内であることを確認(車種により違いますが…この位です)
エアコンガスチェンジャー器具を全て外し低圧側・高圧側のホース接続部のキャップを忘れずに取り付けて運転席に移る
風量スイッチを1段目か2段目にして温度計を差し込んで吹き出し温度を確認する…18度以下ならOK…今回は…8度くらいを指しています(真空引きをしっかりやり漏れが無ければこれ位になります)
以上で「エアコンが効かない」の修理完了です…
原因はエアコンガスが少しづつ漏れて(タイヤの空気圧と同じです)効かなくなったという事です
処置はエアコンガス交換で修理完了です
如何でしたか?…
素人には少し難しかったと思います…
でも判定の仕方・作業の流れは大まかにでも掴めたのではと思います…
記事にも書いた通りエアコンが効かないとオーバーヒートの原因にも繋がります…
異常を感じたら無理をせず専門家に相談してみては如何でしょうか
多少の出費はあるかも知れませんが…安全と快適性を考えたら決して高くないと思います
では次回またお会いしましょう