最新!クルマのリコール情報と解説「ダイハツ タント 他」の横滑り防止装置の不具合に付いて
「ダイハツ タント シフォン」のエンジンおよび制動装置の不具合によるリコール
ダイハツ工業株式会社(ダイハツ自動車)が、令和3年4月15日に国土交通大臣に対してリコールの届け出を行いました
リコール内容は…
「ダイハツ タント、シフォン」のターボ車のエンジン制御コンピュータにおいて
吸気管圧力センサの異常判定の設定が不適切なため
高地等の気圧の低い環境下で減速した際に誤ってセンサ異常を検出することがあるとの事
そのため、そのままの状態で使用を続けると
走行中にエンジン警告灯が点灯するとともに横滑り防止装置が作動しなくなるおそれがある
とのことで下記のとおりリコールの届出があったとのことです
令和2年12月3日~令和3年2月19日までの間に製造された車両で
リコール対象車両台数は9728台で
不具合車両は2車種で不具合は10件報告されているとのこと
不具合に関する事故は報告されていないとのことです
リコールに関するお問い合わせについては以下を参照してください
ダイハツ自動車〜問合せ先
「ダイハツ タント 他」のリコール届出一覧表
リコール改善内容は
リコール対象車の全車に付いてエンジン専用プログラムの修正をするとのことです
リコール対策識別内容は
車体番号打刻位置の左側に黄色いペイント塗布するとのことです
※車体番号の位置は運転席シート前方下側のカーペットの切れ込みをめぐると確認できます
元整備管理者の解説とクルマの豆知識
高原や山岳地帯を走行する場合は平野地よりも空気が薄い為に燃料制御系も平野地を走行する場合と異なってきます
エンジンに供給されるガソリンと空気の混合割合は重量比で1対14とされています(※現在では低燃費車が主流になっているためにさらに混合割合は薄く設定され1対40から1対50の割合まで制御されています)
※ガソリン直噴エンジン シリンダー(筒内)に直接燃料を噴射させる機構のエンジン
燃費性能を良くするために混合気を成層化して燃焼させることに より希薄燃焼方式エンジンより更 に薄い混合気を使用するものであ り、混合比40~50:1程度までの 超希薄領域を使用するエンジンで ある
上記のようなことから高原や山岳地帯を走行する場合は空気が薄くなると同時にガソリンと空気の混合割合を維持するためにガソリンも少なめに供給される事になります
しかしこれだとエンジンの馬力が下がってしまいそれでなくても坂道や急カーブが多い高原や山岳地帯において車を走らせることが困難になります
そのために車には高原や山岳地帯を走る場合には「高度補正」と言う制御が行われます
エンジンに送られる混合機を濃くしてエンジンの出力を上げる働きをします
そのことにより走行性能良くなり高原や山岳地帯でもコンピューターにより制御されて高原や山岳地帯でも車を快適に走らせることができます
今回の「ダイハツ タント」のリコールはこの気圧を感知する空気吸入ダクトに取り付けられた吸入空気センサー(※高度補正を行う装置の一つ)が異常をきたし気圧を正常に測定することが出来ずにエンジン不調をきたしエンジン警告灯が点灯すると言う事態になったのではないでしょうか
エンジン警告灯が点灯することにより「横滑り防止装置」までもがシステム異常と判断しシステム異常時の設定(マニュアルモード=横滑り防止機能オフ)に切り替わったのではないでしょうか
現在の車はあらゆるところにセンサーが取り付けられていますこのセンサーの情報がコンピューターに送られ各装置にフィードバックされて車の運転をアシストしていると言うことです