最新!クルマのリコール情報と解説「スズキ ジムニー」のフロント並びにリアガラスの取付けの不具合について
「スズキ ジムニー」のフロント並びにリアガラスの取付けの不具合によるリコール
株式会社スズキ(スズキ自動車)から、令和3年4月19日国土交通大臣に対して
「スズキ ジムニー」の車体に取り付けられている
フロントウインドウとリアウインドウの組付けに際して不具合があり
車内に水漏れの可能性があり
最悪の場合、ガラスが脱落する恐れがある
とのことで下記のとおりリコールの届出があったとのことです
不具合車両は1車種で不具合は3件報告されているとのこと
リコール対象車両台数は101台で
令和2年8月7日から令和2年8月20日までの間に製造された車両とのことです
不具合に関する事故は報告されていないとのことです
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元整備管理者の解説とクルマの豆知識
車のフロントやリヤガラスについて
皆さんは車のフロントやリアガラスがどのように取り付けられているかお分かりになりますか?
しっかりとした取り付け金具や強力な接着剤を使い車に予期せぬ衝撃や振動・ネジレがあっても外れないように丈夫に取り付けられていると思いますよね?
実は車のフロントガラスやリアガラス・一部のサイドガラス等はウレタン接着剤で接着されて取り付けられて居るに過ぎません
要するに車体フレームに接着剤を塗布しその上にガラスを押し付けて接着しているだけなのです
フロントガラスやリアガラスまたは一部のサイドガラスを車に取り付ける方法としては最も車の衝撃や振動・ネジレに対して有効な取り付け方法になるのです
車に使用されているガラスは衝撃や振動・ネジレに非常に弱くこのガラスを取り付けるために車体フレームに塗られたウレタン接着剤が緩衝材として衝撃や振動・ねじれを吸収しガラスを保護する役目もしているのです
今回のリコールはこのガラスを車体に接着させるための下地処理に使用されるガラス側(※図②参照)のプライマーの塗布が不十分だったためにウレタン接着剤が本来の接着力を失い接着面の一部の箇所から車内に水漏れが発生したとのことです
以前は車体フレームとガラス(①の部分)の間にモール等が埋め込まれ車内への水漏れ防止も施されていたのですが現在はウレタン接着剤の材質も良くなったと言う事で水漏れ防止用のモールも使用されなくなってきました
今回のような不具合が起こると構造的にみてお分かりの様に車体とガラスの隙間から簡単に車内に水が侵入するようなことになります
またガラスの接着状態にもよりますがこのまま使用を続けているとドアの開閉時に車室内に内圧がかかった時や走行時の振動や歪みによりフロントやリアガラスが脱落する可能性があると言うことにもなります
(※特にジムニーはフロントガラスリアガラスともに垂直に近い状態で取り付けられており脱落の可能性が高くなります)
車体番号等を確認して対象車両になっている場合はメーカーやディーラーに連絡を取り一刻も早く改善処置を実施されるようにしてください
また今回のリコールとは関係なく一般の車についてもフロントガラスやリアガラスを交換された際はしばらくの間(1週間ほど)は車室内に内圧が発生しない様にドアの開閉に気を配る事も覚えておいてください