- クルマの異音の種類【ブレーキ系統・下回り編】
- クルマの異音の種類(ブレーキ系統)
- クルマの異音の種類(下回り)
- エンジンマウントからの異音(ゴツンゴツン・ゴトゴト)
- ハンドル操作からの異音(ギコギコ)
- スタビライザーからの異音(キュッキュッ)
- サスペンション系統からの異音(ゴトゴト・カタカタ)
- ショックからの異音(カタカタ・コトコト)
- ハブベアリング・デフからの異音(ゴーー・ゴロゴロ)
- プロペラシャフトセンターベアリングからの異音(ドーンドーン)
- マフラーからの異音(カラカラ)遮熱板
- マフラーからの異音(シャラシャラ・カサカサ)触媒
- マフラーの腐食による異音(ボッボボッボ・バーンバーン)
- マフラーからの異音(カチカチ)
- 走行中タイヤからの異音(カリカリ・カタカタ・ベタベタ)
- 走行中タイヤ周辺からの異音(シャカシャカ・シャンシャン・シャーー)
- まとめ
- スポンサーリンク
クルマの異音の種類【ブレーキ系統・下回り編】
今回はブレーキ系統と下回りからの異音について解説していきます
ブレーキ系統や下回りからの異音はとても多くそして走行中に発生することが多いので原因を追求して判定するのも大変ですが長年の整備管理者の経験から実際に体験した事実を解説します
車に乗ってエンジンをかける時やアイドリング時、走行中に車内やエンジンルーム・下回りからいつもと違う音が発生することがあります
一体どこからなっているのか?
異音がして大丈夫なのか?
原因は何なのか?
修理方法は?
など、気になりますよね
クルマのいたる所から発生する色々な異音について症状と発生場所・原因を追及して解決方法や修理の仕方まで見ていきましょう
クルマの異音の種類(ブレーキ系統)
走行中のブレーキからの異音
デスクパットの摩耗による異音(キーキー)
走行中にブレーキから「キーキー」音が発生した場合はデスクパットの残量が少なくなりパットセンサーがローターに擦って残量が少なくなっていることを知らせる音です
速やかにデスクパットを点検して残量が少ない場合には交換してください
ブレーキの引きずりによる異音(キーーー)
デスクキャリパーピストンが固着してブレーキの引きずりを起こしている場合にも「キーーー」という異音を発生します
ブレーキの引き摺りは非常に危険で熱を持つことによりブレーキオイルに引火して車両火災を起こす引き金にもなります
ブレーキからの異音は甘く見ずに必ず専門家に相談して点検してもらい指示を仰いでください
停車時直前のブレーキからの異音(キーーキーー)
ブレーキを踏んで停車する直前にブレーキから「キーキー」音がする場合はブレーキパットとローターのあたりが悪い場合や色々な不具合が考えられます
停車時のブレーキからの異音に関しては以下のページで完全解決に向けた解説をしています、参考にされて下さい
ABSの作動音(ガァガァーー)
ABS装着車で雨天時や積雪地でブレーキを強く踏んだ時にフットブレーキペダルに脈動がありブレーキからの「ガァガァーー」と大きな音が発生します
これはABSが作動してブレーキがロックしない様に、タイヤがスリップしない様にブレーキを制御している音で正常音です
タイヤの摩耗が激しくてABSが作動する場合もあるので点検時にはタイヤの摩耗と空気圧も合わせてみる様にしましょう
クルマの異音の種類(下回り)
エンジンマウントからの異音(ゴツンゴツン・ゴトゴト)
凸凹道や段差を乗り越えた時にエンジン下回りから「ゴツンゴツン・ゴトゴト」という異音がある場合はエンジンマウントの劣化が疑われます
ゴム材質でエンジンからの振動や衝撃を吸収しやすくする為のエンジンマウントは劣化するとゴム部分が薄くなりエンジンが下がってきます
下がってきたエンジンのオイルパンなどが凸凹道や段差などで車体メンバーなどにあたって「ゴツゴツ」と音がする場合があります
永年車で上記の様な音がする場合にはエンジンマウントを点検して車体や他の部品に触れる可能性がないかを見て必要な場合は交換しましょう
ハンドル操作からの異音(ギコギコ)
ハンドルを左右に切ると「ギコギコ」と音が鳴る場合があります
これはステアリングラック本体を車体に取り付けてステーと共に左右2箇所でラックを抑えているグロメット(ゴム部品)の劣化による異音です
グロメットが劣化により硬化してステアリングラックを押さえきれず滑って「ギコギコ」音が発生します
この症状がひどくなるとハンドルのセンター位置が右に行ったり左に行ったりという症状が出てきてハンドルが真っ直ぐにならず直進状態でも違和感があります
早めにステアリングラックグロメットを交換しましょう
スタビライザーからの異音(キュッキュッ)
スタビライザーは左右の旋回時の安定性を確保するための部品で車体にブッシュ(ゴム部品)を介してステーで取り付けられています(ロアアーム側はリンク式もあります)
このブッシュが劣化して硬化すると車が上下左右に揺れた時にスタビライザーがねじれて「キュッキュッ」と異音を発生する場合があります
サスペンション系統からの異音(ゴトゴト・カタカタ)
下回りのブッシュやジョイント部が劣化すると走行中に「ゴトゴト・カタカタ」と異音が発生しやすくなります
スタビライザーやストラットバー・ロアアームなどのブッシュ(ゴム部品)、ショックのアッパーマウントなどを新品に交換すると新車時の乗り心地を回復することができます
また、強化サスやスプリング・スタビライザーなどを後付けすると他の部品や系統に負担がかかり異音が発生する場合があります
この場合は一部を強化するだけではなくボディ剛性と合わせてサスペンション系を全て強化する為に対策をしなくてはなりません
ブッシュ類・リンク類やエンド類のジョイント部の点検・交換も必要になります
ショックからの異音(カタカタ・コトコト)
ショックアブソーバーのオイル漏れやガス漏れによりショック内ピストンの減衰力が減ってきたり底突きを起こすと「カタカタ」音を発生する場合があります
また社外品のショックアブソーバーを取り付けて微妙に寸法が違っていたり取付ナットの締め付け不備によりガタが出た場合なども異音を発生します
点検方法はタイヤを上下に動かして見てガタが無いかを確認します
また10万キロ以上走って下回りから「ゴトゴト・カタカタ」音が発生した場合はショックアブソーバーの交換も視野に入れておくべきでしょう
ハブベアリング・デフからの異音(ゴーー・ゴロゴロ)
フロントハブやリヤハブベアリングがオイル切れや焼き付を起こすと走行時に「ゴーー・ゴロゴロ」と言った異音が速度に応じて発生します
このような音がした場合は前後左右どの辺からなのかをある程度掌握してクルマをリフトアップして点検します
異音が激しい場合にはタイヤを空転させただけでもわかります、確認するにはタイヤを外してハブを回してみるとすぐにわかります
後輪駆動車に多い車両後方中央からの異音の確認はハブベアリングに異常がなく「ゴーー」と異音がする場合にはデフからの異音と判断できます
プロペラシャフトセンターベアリングからの異音(ドーンドーン)
走行中にクルマの中央部下回りからの「ドーンドーン」という軽い突き上げ感のある音です
これは排気量の大きな後輪駆動車に多い異音でミッションとデフを結ぶプロペラシャフトのセンターベアリングを覆うゴム部品が劣化して損傷し路面からの衝撃を吸収できずに車体に伝わるためです
センターベアリングを点検して損傷している場合には交換してください
マフラーからの異音(カラカラ)遮熱板
マフラーの熱から車体や他の部品などを守る為に遮熱板という薄い鉄板でできた板がマフラーに覆いかぶさっています
エキゾーストや触媒部・パイプ部と多い車では5~6ヶ所も取り付けられているものもあります、このマフラーの遮熱板から「カラカラ」音がすることがあります
これは新車時から長く乗っていると遮熱板のステーが緩んできたり、取付部が振動で擦れて薄くなることにより隙間ができて振動を起こし異音が発生します
修理する際は薄いアルミの鉄板などを隙間に挟めて取付締め直すと異音がしなくなります
マフラーからの異音(シャラシャラ・カサカサ)触媒
マフラーに取り付けられている触媒の中には排気ガスを吸着させて燃焼させる触媒ペレットが挿入されています
この触媒ペレットが劣化してくると新車時からの触媒ペレットの密度が小さくなりケース内から「シャラシャラ・カサカサ」音が発生します
古い時代の車は触媒ペレットの入れ替えとかもしていたのですが…現代のクルマで気になる場合はASSY交換をされた方が良いでしょう
マフラーの腐食による異音(ボッボボッボ・バーンバーン)
マフラーが腐食して穴が開くと「ボッボボッボ」と排気管からガスが漏れる音がします、穴が大きくなると「バーンバーン」と更に大きな音が発生します
マフラーの穴が小さいうちは修理できますが、穴が大きくなると交換した方が良いでしょう
マフラーからの異音(カチカチ)
高速走行時や長距離走行時の後にエンジンを切ると「カチカチ」と下回りから異音がする場合があります
これは高温になったマフラーや触媒がエンジンを停止させることにより熱が拡散されて金属が縮小する時の音なので異常ではありません
走行中タイヤからの異音(カリカリ・カタカタ・ベタベタ)
タイヤからの異音で多いのは小石を挟んでいたり大きなビスや釘が刺さっていたまま走行すると「カリカリ・カタカタ」と音がする場合があります
速度に合わせて異音がする場合にはタイヤの点検をしましょう、空気圧も適正な値に調整するためにも常日頃の日常点検が大事です
またタイヤの摩耗が激しいと「ベタベタ」と走行音が大きくなります、特に夏場の暑い日などは大きな音が出やすくなります
タイヤも摩耗してきたら車にあった適正なものと早めに交換しましょう
走行中タイヤ周辺からの異音(シャカシャカ・シャンシャン・シャーー)
走行速度に合わせてタイヤ付近から「シャカシャカ・シャーー」音が出たら金属製のホイールキャップやデスクローターのバックプレートを疑いましょう
ホイールキャップはタイヤ交換時や空気圧点検時に脱着すると取付位置が微妙に変わりホイールとの接触面から異音を発生する場合があります
一度ホイールキャップを外して走行してみると点検できるでしょう
ブレーキローターのバックプレートがローターに接触すると「シャカシャカ・シャーー」という感じの異音がします
ブレーキを分解した際などバックプレートを曲げたりすることがあるのでブレーキ分解後は必ずローターを空転させてバックプレートと接触していないかを確認しましょう
まとめ
多くの異音の症状や原因を見てきましたが、大事な事はクルマのいろいろな異音を点検修理するにあたってもまず初めに行うのは基本点検整備が重要だという事です
特にエンジンルーム内や下回り・ブレーキ周りの異音の作業前にはオイル類や冷却水などが適正に管理されているかブレーキパッドやライニングの残量は異常ないか
タイヤの引きずり・空気圧は大丈夫か、ミッション・デフオイルは適正に管理されているかなどの基本点検を実施してからの異音探求をされることを勧めます
異音が発生する多くの原因は常日頃の車のメンテナンスを疎かにしていることが主な原因です、定期点検や日常点検をすることにより事前に異音を無くすることもできます
クルマの維持管理は使用者の責任です、以上の事を頭に入れてクルマの維持管理に努めましょう
結果として異音の早期解決にも繋がります
ではまた次回の記事でお会いしましょう