スバル「レヴォーグ」に関するリコールの解説と対策(国交省への届け出情報を読み解く)
令和3年3月5日付で、株式会社スバル(スバル自動車)からリコールに関する届出が国土交通省リコール課にありました
当該車両を所有されているユーザの方々には既に郵送または担当営業員の訪問等において上記案件について報告・説明があったと思いますが、中古車等において購入された方、または個人間の取引によって購入された方においては通達が徹底されていない可能性もあります
このようなことにより未だリコール発生を承知していないユーザもおられる可能性があると思われる事から、改めてここで営業車の元整備管理者としてどのようなリコール内容なのかどの程度の危険性があるのかを解説したいと思います
リコール届け出内容
今回、届け出のあったリコール案件はブレーキ系統の部品の1つである電動ブレーキブースターの内部の組み付け不良による誤作動により、イグニッションスイッチをオンにした状態で、バッテリー上がりやクルーズコントロールがセットされなかったり、ブレーキランプが点灯したままになったり、またはブレーキ警告灯が点灯して、最悪の場合、ブレーキペダルが重くなりブレーキ制動力が弱くなり、事故の危険性が増すと言う事態に陥るという事です
リコールの届け出がされた電動ブレーキブースターと言う部品はブレーキペダルを踏んだ際にモーターにより油圧を発生させて制動力を発生させ車を停止させる役目をする部品です
この電動ブレーキブースターの内部部品の組み付け不良によりブレーキペダルの踏み込み量をコンピューターが誤認識しブレーキが正常に働かなくなると言うことです
従来のブレーキブースターはインテークマニホールドからの負圧を利用しブレーキ制動力を増大させて作動させるものでしたが、配管の取り回しが複雑になると言う事と、取り付け場所を自由に設定できると言うことから、例えばパワーステアリング系統なども電動化が進み、ブレーキブースターにおいてもモーターを利用して油圧を発生させると言う仕組みに変わってきています
このような電動化に伴い構造が複雑になるのと同時にモーターや部品精度の不具合による故障案件が増えてきています
特に今回のように部品がアセンブル構造になっていると、電動ブレーキブースターを丸ごと交換と言うような形になりメーカーの負担もかなり大きなものになるのではと考えます
対象車両
対象車はスバル「レヴォーグ」型式4BA-VN5、リコール対象車の車体番号はVN5-002043からVN5-015294、製造期間は令和2年11月2日から令和3年2月5日までの車両でリコール対象車の台数は一万2094台と報告されています
特に今回のリコール案件に関しては、すでに不具合発生件数が45件と報告されており物損事故も一件、発生していることから至急改善を要する案件と判断します
重要保安部品であるブレーキ系統のリコールと言うことでなので、これ以外のスバル「レヴォーグ」の車体番号の車両に関してもメーカーやディーラーに連絡を取り確認された方がよろしいかと思います
改善内容
改善内容は上記したように構造上電動ブレーキブースターをアッセンブリー交換(一式交換)すると言うような改善内容となります
交換作業に関しては電動ブレーキブースターの物理的な交換とともにコンピューター診断機を接続してブレーキ系統を制御しながらの交換作業となると思われます
交換作業にはブレーキオイルの交換作業も含まれ、コンピュータ診断機による制御・設定などの作業も含まれてくると思われます、その為、リコール修理を依頼される場合は必ずディーラーなどに連絡を取り予約をされて作業を実施されることを勧めます
まとめ
今回、御案内したリコール案件は車の重要保安部品の1つである、ブレーキ系統の中の電動ブレーキブースターのリコールと言うことで解説してきました
重要保安部品とはこの部品が不具合を起こすことにより重大な事故につながると言う意味を持っています、今回のリコールはそれにあたります
車のユーザであればブレーキ系統が故障すればとても危険であると承知されてると思います
まだリコール対策をされてないユーザの方はできるだけ速やかに時間を作りディーラーなどで無償修理していただくことを望みます
最後までご覧いただきありがとうございました
また次回の記事でお会いしましょう