最新情報!三菱eK 日産DAYZ等のブレーキ装置の不具合について
三菱自動車工業株式会社から、令和3年5月27日国土交通大臣に対して、下記のとおりリコールの届出があったとのことです
リコール対象車両は三菱自動車、日産自動車の4車種合わせて計302,097 台とのことで、今回のリコールが原因で物損事故が1件発生しているとのことです
三菱自動車 日産自動車届出
三菱eK、eKスペースのリコールについて
日産DAYZ、ROOXのリコールについて
リコール内容は※注1エンジン制御装置(ECM)において、ブレーキ制御プログラムが不適切なため、幾つかの条件が重なった シーンでエンジンからブレーキ倍力装置への負圧供給が遅れる場合があり、そのため、最悪の場合、強い制動力が必要な場合に、通常より大きなブレーキ踏力が必要となるおそれがあります。
リコール情報のソース
リコール関連問合せ先
不具合内容とは
重大な不具合内容とは…
- エンジン制御装置(ECM)において、制御プログラムが不適切なため、幾つかの条件が重なった シーンでエンジンからブレーキ倍力装置への負圧供給が遅れる場合があり、最悪の場合、強い制動力が必要な場合に、通常より大きなブレーキ踏力が必要となり、 想定よりも制動停止距離が長くなるおそれがあります。
不具合報告件数
リコール届出時点での不具合件数は39件発生しており物損事故も1件報告されています
改善対策
全車両、エンジンECUの制御プログラムを対策仕様に書き替え
改善対策識別
リコール対策済みの車両には助手席側ドアロアヒンジにあるピン頭部に、白または黄色ペイントを塗布する。
リコール開始日
リコール開始日は令和 3 年 5 月 28 日からで対象車両のユーザーにはすでに DM 電話等で連絡を行っているとのこと
対象車両のユーザーの方はディーラーやメーカーに連絡を取り速やかにリコール改善対策を行うようにとのことです
リコール詳細内容
三菱自動車が届けたリコールの具体的な状況と原因は
エンジン制御装置(ECM)において、制御プログラムが不適切なため、幾つかの条件が重なった シーンでエンジンからブレーキ倍力装置への負圧供給が遅れる場合がありそのため、最悪の場合、強い制動力が必要な場合に、通常より大きなブレーキ踏力が必要となるおそれがあります。
リコール対象車両の詳細は三菱eK、eKスペース、日産DAYZ、ルークスの合わせて4車種が発表されています
リコール対象車両の製作期間
リコール対象車両の制作期間は平成31年3月13日~令和3年3月19日までの車両でリコール対象車両の台数は三菱自動車と日産自動車の4車種を合わせて302,097台です
車体番号の範囲
車体番号の範囲などリコールに関する詳細は以下の表を参考にされてください
またご自身の車がリコール対象になるかどうかについては以下の
で確認することができます
またリコール対象車両の製造年月日「製作期間」とお車を購入された時期とは当然異なるので確認の際には間違わないように注意して車検証等に記載された車両型式と車体番号で確認するようにしてください
またリコール対象の車体番号の中には対象とならない車両も含まれている場合もあります
ご自身のお車が対象車両かどうかの最終判断は必ずディーラーかメーカーにご確認ください
国土交通省が公開した三菱ek他のリコール情報
※注〜エンジン制御装置(ECM)とは?
エンジン制御装置(ECM=エンジン・コントロール・モジュール)とはエンジンの運転制御を電気的な補助装置を用いて行うシステムでそれら全体の制御をするマイクロコントローラ(マイコン)です
基準不適合発生箇所
「エンジンECU 」
エンジンコンピュータ、または単にコンピューターとも呼ばれます
「ECM=エンジン・コントロール・モジュール」と呼ばれていますが一般的にエンジン制御装置の呼び名を「エレクトロニック・コントロール・ユニット」と言い「ECU」の略称で呼ばれてもいます
またDME(デジタル・モーター・エレクトロニクス)といった呼び方もあります
なお、略称としてECUは電子制御装置の総称であるエレクトロニックコントロールユニット(Electronic Control Unit)として自動車技術者協会(SAE)、国際標準化機構(ISO)で定義されるようになったもののエンジンコントロールユニットは旧称の位置づけとなっています
現在、SAE・ISO上でのエンジンコントロールユニットに相当する名称は、エンジンコントロールモジュール(英:Engine Control Module、ECM)です
自動車業界で使用されるECMは各メーカーにより規格が異なり共通性がなく又、その中身がわかりづらいことからブラックボックスとも呼ばれています
ブレーキ制御(電子制御ブレーキ)とは?
電子制御ブレーキシステム(でんしせいぎょブレーキシステム)とは、一般に電子制御制動力配分システム(でんしせいぎょせいどうりょくはいぶんシステム、Electronic Brake force Distribution、略称 EBD)とよばれています
システムの基本的はアンチロックブレーキシステム(Antilock Brake System、略称 ABS)に付加されるもので、ブレーキを踏むと 前後輪の回転数や旋回状態から、制動力を車輪に対して最適に制御配分するシステムです
自動車運転中にブレーキを踏むと車両重量が前方に移動する荷重移動が発生します
その場合に運転手一人だけが乗っているのか、乗客も貨物も満載しているのかによって、ブレーキの制動力は大きく異なります
車両積載重量は、重くなるほど制動時 前輪タイヤに加える重量を増大させます
この重量が加わる分、前輪タイヤは前後方向のグリップ力をより使って速度を落とすことになります
タイヤのグリップ力はタイヤの構造や接地面積などによってその絶対値は様々ですが、グリップ力を前後方向に使ってしまうと、左右方向 操舵力に振り向けられるグリップ力は相対的に減少することになります
これは積載重量が大きく荷重移動で前輪に加わる重量が増大すると、操舵力が乏しくなるオーバーステアになることを意味します(車重の重さで前方方向に進む力が大きくなること)
また、大きい荷重移動では車体が前後に揺れるピッチングも大きくなり、乗員に不快感を与えることにもなる。
EBD 電子制御制動力配分システムは、これらの問題を軽減するものである。
今回のリコールは上記で説明したエンジン制御とブレーキ制御
そして三菱自動車が開発した「eK制御システムスペースの先進安全装備」
- ●衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM] *対車両/対歩行者
- ●踏み間違い衝突防止アシスト
- ●車線逸脱警報システム[LDW]&車線逸脱防止支援機能[LDP]
- ●オートマチックハイビーム[AHB]
これらすべての制御システムを組み合わせたプログラムが適切でなかったと言うことだと思われます
そしてリコールの改善対策として300,000台以上にも及ぶリコール対象車両のプログラムの見直しが行われ書き換えが行われると言うことです
まとめ
自動車業界では車に積載されるコンピューターの共通化が進んでいません
このことにより新型車開発に係る開発費や開発時間が大きな問題とされリコールなどの問題も増えているのではないかと言われています
プログラムの独自開発に関しては各メーカーの思惑もあると思われますが…
リコール件数を減らす事はもちろん!自動車の先進的な安全性の向上や自動車自体の価格を下げるためにもハードウエアをできるだけ共通化し、ソフトウエアの開発をしやすくし安全安心な車の発展を進めていただきたいものです