
障害者や初心者がユーザー車検を受けるにあたってのやることの手順として
- ユーザー車検を行う車の24ヶ月点検整備を実施する(わからない場合はプロにお願いする)
- ユーザー車検に必要な書類を用意する
- 車検書類に必要事項を記入する
- インターネットでユーザー車検の予約を申し込む
- ユーザー車検日にメーター屋(仮車検場)で仮検査を受ける
- ユーザー車検日に軽自動車検査協会で書類の手続きをする
- 軽自動車検査協会の検査コースで検査を受ける
以上の手順に沿ってユーザー車検を受験することになります
1,は自分で点検整備が難しい場合は私のブログ内の記事を参考に点検整備を行うか業者や車に詳しい人に依頼しましょう
今回の「徹底解説!初心者/障害者の為のユーザー車検」シリーズでは2から7までのユーザー車検に必要な手順について詳しく解説してきました(一部「軽自動車検査協会ホームページ」参照)
と題してユーザー車検を受験するのに必要な書類には
- どんなものがあるのか?
- どこで調達できるのか?
- どのように記入するのか?
について解説しました
と題して実際に「軽自動車検査協会」に出向いた時にユーザー車検書類の手続きの流れについて
- 現地で準備する書類
- 書類の入手窓口
- 書類の記入の仕方
- 書類提出の窓口
等について解説しました
そして今回が
「徹底解説!初心者/障害者の為のユーザー車検③」
シリーズ最終回となります
第3回目の最終回ではいよいよ軽自動車検査協会の検査コースでの手順と検査の流れについて解説してみたいと思います
どうぞ最後までよろしくお願いいたします
徹底解説!初心者/障害者の為のユーザー車検③最終回!検査コースでの手順と流れ

軽自動車検査協会の「ユーザ車検予約確認窓口」で予約の確認や書類の確認がすべて済んで自分の検査の予約時間になったら車で検査レーンに並びます
画像内の矢印の建屋内につながるレーンに車で並んで検査の時間になったら順番に検査コースに入ってきます
検査を受ける前に
①検査コース内では検査車両に乗車できるのは運転者1名のみです
検査コース内での手順を教える為に稀に2名乗車している場合がありますが
初心者や障害者の方が軽自動車検査協会の「ユーザー車検予約確認窓口」でその旨を伝えると検査コースで補助が必要とわかる表示板を渡してくれます
(表示板を車のダッシュボードに提示しておくと検査官がそれをみて初心者/障害者とわかるので検査コース内で車を誘導してくれます)
慌てずに検査官の指示に従って車のライトやブレーキを操作しましょう
②ホイールキャップなどは検査コース内に入る前に取り外しておく事
(ホイールナットの緩みや閉め忘れの確認をする為です)
検査コース建屋

駐車場の奥に見えるのが車両検査建屋です
私が受験した軽自動車検査協会ではこの建屋の左側から入って建物中央が検査コースになっており右側から出てくると言うふうになっています

検査コース入り口まで続くコースレインで検査を待つ車が順番に並んでいます
軽自動車検査協会の検査コースは二つのレーンがありこれを一般的に1コース/2コースと呼びます
この写真では右側が1コース左側が2コースとなります
私は2コースに並んでいます

検査コース建屋入り口
ここで一旦停止して信号が青になったら検査コース建屋内に進入します
検査官によっては検査コース建屋入口で外観検査を始める検査官もいます
検査コース手順と概要
はじめに検査コースの手順と概要について簡単に説明します

- ①車検証と検査車両の統一性の確認と外観の検査
- ②検査コース入場
- ③排出ガス検査及び記録
- ④進入
- ⑤サイドスリップの検査
- ⑥スピードメーター/ヘッドライト/ブレーキのマルチテスターによる検査
- ⑦記録
- ⑧下回りの検査
- ⑨総合判定/退場
以上の工程で検査が行われます
①車両の同一性確認と外観検査~

まずここで
車検証と持ち込み車両が同じものであるか車検証を見ながら確認します
それと車の外観の検査~車のライトやブレーキランプなど電気周りが正常に作動するかガラスやボディに著しい損傷や亀裂がないかを検査します
自動車検査証と検査車両の同一性確認
自動車検査証の記載内容と現車が同一であることを確認します
検査官の指示に従って行動してください
(車台番号を確認するのでボンネットのロックはあらかじめ外しておいた方が良いでしょう)
ちなみに私の所有しているエブリイの車台番号は運転席足元に刻印されています

- 【1】車台番号
- 【2】原動機の型式
- 【3】車両番号(ナンバー)
- 【4】種別
- 【5】用途(乗用か事業用か)
- 【6】車体の形状
- 【7】車両諸元
などを確認します
保安装置等の検査

- ヘッドライト:上向き下向き/ブレーキランプ
- 制動灯/フォグランプ/補助制動灯
- 車幅灯/スモールランプ/方向指示器
- ウィンカー/ナンバー灯/非常点滅表示灯
- ハザードランプ/クラクション
- 後退灯/発煙筒:非常信号用具
- ワイパーの動作:フロント/リア
- ワイパーウォッシャー:フロント/リア
- ワイパーゴム損傷:フロント/リア
などが正常に動作するかを検査/確認します
動画による解説
同一性や車の外観に問題がなければ検査官が自動車検査票の指定された箇所に判を押してくれます
検査が終わったら指示があるまでその場で待機してください
②検査コース入場~
前方上部にある信号が青になったら入場し次の白線ラインで停止します
(尚検査コース内は時速4 km 以下人の歩く速度程度で車を移動します)
再検申告スイッチボタン(検査が不合格になって再入場した場合)

1回目/2回目の検査で不合格になった箇所のある車で不具合箇所を修理して再入場した場合(1日2回まで再検査は認められ再検査料金はかかりません)
再検査の場合は再検査をする箇所の申告ボタンを押して入場する
③排気ガス検査および記録

検査コースの排気ガス検査機器やその他の検査機器等の配置は、検査場によって異なります
検査機器の配置例は、自動方式総合検査用機器「マルチテスタ」の例です
排気ガス検査のところでは白線ラインで車を停止させたらシフトレバーをパーキングに入れ駐車ブレーキをかけてエンジンをかけたまま車を降ります
車を降りたら車の後方に回り進行方向右側に置かれている細長い排出ガス測定装置をマフラーの排気ガスの出口からマフラー(排気管)内に入れます
しばらくすると排出ガスの数値が合格ライン内にあれば前方上部の表示板に「OK や○」の表示が出ます
「OKや○」の表示が出たら排出ガス測定器の隣にある記録器に自動車検査票(1)の表面を差し込みます
すると自動車検査票に判がおされます
排気ガス検査 (CO・HCテスタによる検査)

一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の検査をします
ご自身で検査機の車種選択ボタンを押しプローブを排気管に差し込んでください
プローブは60cm以上排気管に差し込む
プローブを入れたまま車両をスタートさせたりエンジンの回転を上げたりしない
排気ガス検査の検査結果の記録

排気ガス検査が終了したら記録器に検査票を差込み検査結果を記録してください
検査票は折り曲げたりしない
排気ガス検査の動画による解説
④次の検査に進入~
排出ガス検査及び検査票に記録が終わって前方上部の進入表示器が青に変わったら徐行して車を前に進めます
⑤サイドスリップ検査~
サイドスリップ・テスタによる検査
徐行して前に進んでいる間にサイドスリップが検査されます

タイヤの前輪整列(ホイール・アライメント)についての検査をします
車の直進安定性が保たれているかの検査です
ホイールアライメントが狂っているとタイヤが片減りしたりハンドルが右や左に取られたりします

前方上部の表示板が青に変わったら
検査コースの表示に従いハンドルを切らずにゆっくり白線ラインに沿って車を前方に進めます
サイドスリップの検査の動画による解説
右側の白ラインの丁度内側を走る位の位置で直進します
そのまま前方のブレーキテスターまで車を進めます
サイドスリップの検査ラインを通過しスピードメーターやヘッドライト・ブレーキの検査をするマルチテスターに進んでいる動画です
マルチテスターに停止する際は少し大きな衝撃があるのでゆっくりと車を進めましょう
*検査機器等の配置は検査場によって異なります
*上記検査機器の配置例は自動方式総合検査用機器「マルチテスタ」の例です
⑥スピードメーター/ヘッドライト/ブレーキの検査

ここはマルチテスターとなっており一箇所で「スピードメーター/ヘッドライトの光軸光量の検査/ブレーキの制動力引きずりの検査」が順番に行われます
検査官の指示に従ってスイッチ類やアクセルペダル/ブレーキペダルを操作しましょう
スピードメータ・テスタによる検査

スピードメーター(速度計)の検査をします
検査コース内の注意事項の表示に従い速度計が40km/hを指す瞬間にパッシングをしてください
慌てずにシフトアップしてスピードが安定してからパッシングしましょう
スピードメーターは一般的に40キロを指している場合実測で35キロ前後です
そのためスピードメーターを見て40キロ/hでライトのパッシングをすると検査が不合格になる場合があります
そのようなことがないようにあらかじめ仮検査場でスピードメーターの速度を確認しておきましょう
ヘッドライト・テスタによる検査
前照灯(ヘッドライト)の検査をします
場内の注意事項の表示に従い前照灯(ヘッドライト)を点灯(上向または下向)させギアをニュートラルにして駐車ブレーキを引いて下さい
検査終了後は、駐車ブレーキをもどして下さい
ブレーキ・テスタによる検査
フットブレーキとパーキングブレーキ(駐車ブレーキ)の検査をします
ブレーキの検査の動画による解説
検査コース内の前面上部表示版の注意事項の表示に従いブレーキペダル(レバー)は静かに踏んで(引いて)下さい
「はなす」「もどす」の表示がでたらすみやかに従って下さい
前進する際はヘッドライト・テスタの横への動き前方車両にも注意して安全を確認してから進んでください
*検査機器等の配置は検査場によって異なります
*上記検査機器の配置例は自動方式総合検査用機器「マルチテスタ」の例です
⑦マルチテスターでの検査結果の記録
「スピードメーター/ヘッドライト/ブレーキ制動力と引きずり」それぞれの検査で異常がなければ前方上部の表示版に「○」の表示が出ます

スピードメーターヘッドライトブレーキの検査が終わったらゆっくりと車を前進させ停止線で停止しシフトレバーをパーキングに入れてパーキングブレーキをかけて車を降ります

向かって前方右側に記録器があるので先ほどと同じように自動車検査票を差し込みます
すると合格の判が押されます
検査票は折り曲げたりしないでください
*検査機器等の配置は検査場によって異なります
*上記検査機器の配置例は、自動方式総合検査用機器「マルチテスタ」の例です
車に戻り前方のドライブオンリフトが空いたら検査官の指示に従ってゆっくりとドライブオンリフトに車を載せます
ドライブオンリフトに車を乗せたらシフトレバーをパーキングレンジに入れてパーキングブレーキをかけエンジンを止めます
後は検査官の指示に従ってください
⑧下回りの検査~
最後の検査となります

ドライブオンリフトがゆっくりと上がるので検査官の指示に従ってハンドルや車の操作をしましょう
検査官が車の下から指示を出す場合があるので車の運転席側と助手席側のドアガラスは開けておいた方が良いでしょう

【1】かじ取装置
【2】制動装置
【3】走行装置
【4】緩衝装置
【5】動力伝達装置
【6】車わく及び車体
【7】排出ガス関係装置
【8】燃料装置
などの検査をします
下回りの検査の動画による解説
リフト中央部に乗込み必ずギアをニュートラルにしてエンジンを停止し駐車ブレーキを引いて下さい
その後は検査員の指示に従って操作などを行って下さい
下回りの検査が終わるとゆっくりとドライブオンリフトが下がります
*検査機器等の配置は検査場によって異なります
*上記検査機器の配置例は自動方式総合検査用機器「マルチテスタ」の例です
検査官の指示に従ってドライブオンリフトからゆっくりと車を前進させ次の総合判定所の停止ラインまで車を前進徐行させます
⑨総合判定~
合否判定所〜画像の第5ブロックと記されているところです

停止ラインで車を停止させたらシフトレバーをパーキングに入れパーキングブレーキをかけて車を降ります
最後に車検の検査の総合判定を行う判定所があるのでそこに検査票と車検書類一式を提出します
全ての検査に合格して車検書類に不備がなければ即日その場で新しい車検証と新しいステッカーが配布されます
各地の検査協会によっては事務建屋で新しい車検証や新しいステッカーを配布するところもあります
⑨検査コース場内から退場

車に戻り徐行しながら周りを確認し検査コース出口から車を出します
建屋出入り口付近は視界も悪く車の通行量も多いので十分に注意しながら車を移動してください
検査合格
これでユーザ車検は全て終了です
新しい車検証と新しい車検期限ステッカー
後は駐車場に車を止めて新しい車検証を車検証入れに入れて車のフロントガラス中央上部に貼られている車検期限ステッカーの古いステッカーを剥ぎ取り新しいステッカーを貼り付けてください
新しい車検証を車検証入れやファイルに入れてフロントガラスの中央上部に貼られている古い車検期限ステッカーを剥がして新しく交付された車検期限ステッカーを貼りましょう


*古いステッカーを剥がす場合はステッカー専用のスクレーパーやカッターのナイフなどを使ってきれいにはがしましょう
検査不合格
検査不合格の場合は修理して再入庫または事務建屋[ユーザ車検予約窓口]へ
検査が不合格の場合は当日中であれば2回まで再検査が無料となります(不合格になった場合のことを考えると朝1番の第一ラウンドに予約を取ることを勧めます)
その日に検査が合格しなくても検査不合格の日から15日以内であれば限定自動車検査証が発行され手数料が1500円程度で再検査を受けることができます
15日以内に不具合箇所を修理して改めて予約を取り再検査に挑みましょう
検査日から15日を過ぎてしまった場合は改めてすべての検査を実施することになります
車検は1ヵ月前から受験することができます
日にちに余裕を持って車検に挑みましょう
また検査が不合格にならないように常日頃から点検整備を行い車を安全快適に使用しましょう
これで
「徹底解説!初心者/障害者のためのユーザー車検③最終回!検査コースでの手順」
の記事を終わります
最後までお付き合いいただきありがとうございました
また別の記事でお会いしましょう