自家用車を改造しました!
エブリィ(DA17v 自家用車)を障害者が運転できるように改造しました
脳梗塞の後遺症により右手右足が麻痺していて自家用車の運転に支障があるためにクルマを左手左足で操作・運転できるように改造しました
今回は身体障害者が自身の車を改造するにあたってどのような手順でどのような手続きをして改造を行ったかを皆さんに紹介します
また自家用車を改造するにあたって気をつけるところ、免許センターでの手続きについて、業者選びのコツとレビュー、市役所での手続きについてなども細かく紹介できればと思っています
では早速!説明していきます
①福祉関係の窓口に相談
身体に障害を持っていて仕事などで通勤に自家用車を日常的に使う必要がありなおかつ前年度の年収が一定以下であれば各自治体によっては車を障害者が運転できるように改造をする場合に補助金を受けられる制度があります
まずは各自治体の福祉関係の窓口に問い合わせしてみましよう
市役所の障害福祉課に相談
私が住んでいる地区では市役所の障害福祉課が相談窓口となります
自動車改造費助成制度
身体障害者が就労などのために利用する自己が所有し運転する自動車を改造する場合その費用の一部を助成する制度として《自動車改造費助成制度》というものがあります
この制度を利用するにあたっては改造前に必ず最寄の自治体の福祉関係の窓口にご相談してください
制度利用対象要件
《自動車改造費助成制度》の対象者は身体障害者手帳の交付を受けている方で次の要件を満たす方
- 1〜免許証に改造を必要とする旨の条件が付記されていること
- 2〜特別障害者手当で用いる所得制限を超えていないこと
②運転免許センターでの相談
市役所での申請にあたって上記したように《自動車改造費助成制度》を利用する要件の一つとして運転免許証に身体障害者として運転する旨の記載が明記されている必要があります
よって《自動車改造費助成制度》を利用して自家用車を改造して通勤に使用したいと思われている方は最寄りの運転免許センターに出向いて《運転適性相談・運転適性検査》を受ける必要があります
- 自動車改造費助成制度を利用するにあたっては各都道府県の運転免許センターに出向いて運転適性相談・運転適性検査を受けることになります
※運転適性相談とは身体(聴力を含む)に障害がありこれから運転免許の取得や運転免許の限定解除を希望される方または運転免許を取得した後に手や足耳等に障害を持たれたり悪化されたりした方のための相談を運転免許センターですることです
今回、私が免許センターで運転適性相談と運転適性検査に伺った内容は免許取得後に脳梗塞の後遺症により右手右足が不自由になり車の運転操作がしずらくなったことにより左手左足で運転操作を行うことができるかの相談と検査になります
運転適性相談や運転適性検査の手続きにあたっての手数料は無料となりますが運転免許センターを訪れるにあたって持参していくものは…
- 運転免許証
- 身体障害者手帳
- 印鑑
以上です
免許センターを訪れたらまず初めに総合受付を訪ねて適性相談に伺った旨を話すと担当部署の場所を案内してくれます担当部署に伺い改めて今回適性相談に伺ったことを話すと担当の方が対応してくれます
私が伺った時は若い女性の担当官の方で運転免許書がゴールドでなおかつ安全協会の会員だと言う事もあったのかとても親切に対応していただきました
身体障害者手帳や運転免許書を一通り確認して脳梗塞の後遺症についても相談して左手左足での運転操作が可能であれば自家用車を改造して引き続き車の運転ができると言うことになり運転適性検査を行うことになりました
担当官と運転適性相談を30分ほどした後、別の部屋に移りました、その部屋には1台の車があり左側アクセルペダル・左側ウィンカー・左側ハンドルグリップに改造されていてこの車で運転適性検査を行うと言うことです
改造された車の運転席に乗り込むとフロントガラスのすぐ前に40インチほどのモニターがありそこに実際に運転しているかのように映像が映るとのことです
適性検査が始まるとモニターに映った映像を見ながら左足で左側のアクセルペダルを踏んだり左足でブレーキを踏んだり左手で左側ウィンカーを左右に出したり左側に取り付けられたハンドルグリップを左手で握って旋回させたりして一通りの運転適性検査を行います
適性検査の結果、左手左足での運転操作に支障がないようであれば運転免許証の裏側の備考欄に限定条件付の記載がされますが車の運転は今まで通り継続できます
適性検査を受けるにあたって最初は不安でしたが左手左足での運転操作もすぐに慣れました、検査官の方もできるだけ車の免許を継続できるように接していただき不安なく検査を受けることができました
今回、適性検査を受けた感想として左手左足によほどの障害や病気がなければほとんどの方が合格されて限定付きにはなると思いますが免許証を継続できるのではないかと感じました
- 免許証裏面に左記のように記載されています
- プライバシーの関係で身体障害箇所の明記はされていませんが警察のデータベースには記録されているとのことです
運転適性検査後30分ほど待っていると条件追加はされたものの免許証は即日交付されます
以上で免許センターでの手続きは2時間ほどで全て終了して《自動車改造費助成制度》の助成の1つの条件である運転免許証への記載項目ができたことになります
※自動車改造費助成額について
私の住んでいる自治体の助成額は改造に要した費用のうち10万円を限度として助成します※ただし前年度の所得制限や身体障害の等級制限があります
※限度額は各自治体により違います〜例えば東京都の足立区などは限度額が133900円、となっています、また各自治体により所得や身体障害の等級により制度内容が大きく違います※例えば横浜市などは限度額が20万円ですが身体障害等級が1から3級までの障害者に限られますので必ず各自治体の福祉関連の窓口に相談してください
③クルマの改造業者選びと見積もり依頼
市役所に提出する自動車改造前の申請書類の1つとして改造に伴う見積もり金額も一緒に提出しなくてはなりませんよって改造業者を選定し改造に伴う見積もり金額を依頼しなくてはなりません
M社での左アクセルの種類と見積もりレビュー
ネットを調べて最初に目についたのがM社でした
M社では左アクセルペダルに改造する場合に一般的に2つの方法がありオルガン式と吊り下げ式に1番多く改造されているとのことです
- 《オルガン式左アクセル》
- 左側は左アクセルペダルを展開した状態です
- 右側はアクセルペダルを折りたたんで健常者でも運転できるようにした状態です
- 折りたたんだ状態だと足元が窮屈になるような気がします
- 《吊り下げ脱着式左アクセル》
- 現行のアクセルペダルを切断加工し左右に差し替えて使用するタイプです
M社のインターネットのホームページを確認した後に電話で問い合わせして相談したところ上記の2つの方法で左アクセルペダルを取り付けるのが一般的だと説明されました
オルガン式の場合、取り付け画像だけで判断したのですが床に穴を開けないといけないのでフロアマットにも穴が開きますまた左アクセルペダルを使用しない場合は足元が狭くなり通常のペダル操作時に支障をきたすような取り付け方法のような気がしました
吊り下げ脱着差込式の場合は現行のアクセルペダルをアームの部分で切断して加工し左側にもアームを取り付けて差し替えて使用するとのことですこの方法だと、このアクセルペダルを切断することにより強度的な問題が起こりそうな感じがした事と画像のように抜き差し部分が大きくなりアクセルペダルの操作にも支障をきたすような気がしました
また取り付けに関していろいろ話をしている中で吊り下げ脱着式で左アクセルペダルを取り付ける場合には引き取り納車はしておらず車を持ち込んで約1ヵ月近くかかるとのことでした
また取り付け料金に関しても見積書を郵送していただいたところオルガン式は80,000円ほどですが吊り下げ脱着式の場合は120,000円ほどと言うことで助成金の100,000円をオーバーすることになり別の業者も探してみることにしました
(有)フジオートでの左アクセルの種類と見積もりレビュー
都内も探してみようと思いインターネットを調べてみると数社見つかりその中で気になったのが(有)フジオートと言う所でした
ホームページ内をよく見てみるとM社と同じようにオルガン式と吊り下げ式の左アクセルが載っていましたが改造方法が少し違うような感じです
有限会社フジオート〜https://www.fujicon.co.jp/
- ※オルガン式左アクセル
- 左側が左アクセル展開状態
- 右側が土台部分を残して健常者が運転できるようにした状態
- ※吊り下げ式左アクセル
- 左側が左アクセル展開状態
- 右側が左アクセルをはね上げた右アクセル状態
オルガン式に関しては健常者が運転する場合には土台を除いて取り外すことができM社よりは足元の圧迫感が軽減されるような改造方法です
また吊り下げ式に改造する場合には現状の右アクセルはそのままにして踏み間違いを防ぐためにカバーを取り付けさらにリンクを返して左アクセルに改造して使用するようにしていますそして健常者が運転する場合には右アクセルペダルのカバーを取り外して左アクセルペダルをはね上げて使用するように改造しています
私はこの吊り下げ式タイプが気に入って相談したところやはり一番よく改造されているとの事でした
そしてこの吊り下げ式タイプで見積もりをお願いしたところ部品代が78,000円取り付け工賃が15,000円との事でしたこれに左ウィンカーレバー(バンド式8000円・工賃無料)を加えても合計で101,000円との事で助成金を利用すると自己負担が1000円で改造できると言うことです
さらにフジオートさんは30キロ以上も離れている自宅にまで改造部品を持参して出張して取り付けしていただけるとのことですさらにさらにその出張費に関しては無料で良いとの事でした
最初に電話を受けた女性の方は少し忙しそうでしたが次に代わって取り付けに関して説明をしていただいた男性の方は電話での相談にもかかわらずとても親切に対応していただきました
私はフジオートさんを気にいってしまいここに車(スズキエブリィDA17V)の改造をお願いすることに決めました(後日見積書が郵送されました)
これで市役所での自動車改造費助成制度の申請に必要な書類の内、改造費の見積書も準備することができました
④市役所での申請に必要な書類(改造前)
自動車改造費助成制度の申請に必要な書類は改造前と改造後では準備する書類が変わってきます
改造前に準備する書類は以下の通りとなります
自動車改造前の申請に必要な書類
- ①身体障害者手帳の写し
- ②免許証の写し
- ③見積書(社印のあるもの・改造部分のみの物)
- ④改造前の写真(改造する箇所を個別に撮影する)
- ⑤車検証の写し(本人名義のもの)
- ※コピーだけでなく身体障害者手帳や免許証・印鑑などもとりあえず準備されて伺った方がよろしいかと思います
①の身体障害者手帳の写しに関しては病名や障害者等級・氏名等が分かる欄の写し(コピー)を準備しましょう
②の免許証の写しに関してはもう既に運転免許センターで手続きが終わっているので免許証の表面と裏面をコピーして準備します
③の改造見積書に関しても上記したように業者に相談して見積書を郵送していただきコピーをとって準備しておきましょう
④の改造前の写真撮影は左アクセルペダルや左ウィンカーに改造する前の写真を撮っておきましょう
⑤の車検証の写しは自家用車に置いてある車検証のコピーをとって準備します
車の改造前には以上のように《5つの書類》を準備して最寄りの自治体の福祉関係の窓口に申請に行きましょう(私の場合は市役所の障害福祉課です…助成金の入金は改造後の申請の後になるので市役所には3回出向くことになります1回目は自分が助成の対象になるのかどうかの相談、2回目は改造前の申請、3回目は改造後の申請に伺うと言うことになります)
また市役所の障害福祉課に申請に伺った際には市役所の方から提出される申請に関する書類も数枚ありますのでそれにもその場で記入する必要があります
⑤改造業者への依頼と取付作業
自動車改造費助成の申請から1週間ほどすると市役所の障害福祉課から手紙が郵送され助成金の支給が決定され自家用車の改造を行っても良い旨の決定通知書が届きます
決定通知書が届いたら車の改造業者へ改めて連絡を取り自家用車の改造の日時や支払い方法等について連絡を取ります
※(助成金が出る前に業者には支払いを済ませておく必要があります…私の場合はクレジットカードでの支払いで業者が取り付けに来た際に《クレジット支払い端末》も一緒に持ってきていただきました)
取り付け日は連絡してから1週間ほど後でわざわざ30キロ以上も離れた自宅まで来ていただき取り付けしてもらいました
自家用車の改造部品取り付けに関しては2時間ほどで作業が終了しました
改造後の写真
アクセルペダル改造(吊り下げ式)
ウィンカースイッチ改造
クレジットカードでの支払いも終わり領収書もいただいて後は何かあったら連絡くださいと言ってくださり作業は終了しました
左側アクセルペダル・左側ウィンカースイッチに改造取り付け後、使い方の説明を受け仕様書等を渡していただきました使い方に関しては車を運転操作しながら少しずつ覚えて慣れていく事になります
⑥市役所での申請に必要な書類(改造後)
自家用車の改造作業が全て終わったら改めて市役所の障害福祉課に出向いて改造の手続きを行います改造後の手続きに必要な書類は以下の通りとなります
自動車改造後の申請に必要な書類
- ①振込先口座のわかるもの(本人名義のもの)
- ②改造後の写真
- ③領収書(社印のあるもの)
- ④印鑑(スタンプ式でないもの)
①の振込先口座のわかるものに関しては本人名義のもので銀行や郵便局の口座番号がわかる通帳かカードを持参します…私の場合は楽天銀行クレジットカードを持参しました
②は改造後の写真で左アクセルペダル・左ウィンカースイッチに改造した後の写真を撮影してプリントアウトして準備します
③は改造終了後支払いを済ませた後に受け取った領収書を準備します
④はシャチハタ以外の認印等を準備します
以上4点を準備して市役所の障害福祉課に伺い改造終了後の申請を行いますその後1週間から2週間ほどで申請時に提出した振込先口座に市役所の障害福祉課から自動車改造費助成金として入金があります
以上のような手順で行うことになります
ハンドルスピンナーの取り付け
ハンドルスピンナーに関しては業者に依頼すると15,000円ほどかかるので自分で部品を準備して友人に取り付けしていただきました
ハンドルスピンナーを黒系にしたのでハンドルカバーもシートカバーやセンターコンソール・フロアマットのデザインに合わせて黒赤に交換しました
ハンドルグリップを取り付けた箇所のハンドルカバーの外側が少し盛り上がるのですが運転操作には支障はありません
まとめ
《自動車改造費助成制度》の手続きを利用するにあたっての手順についてもう一度繰り返すと
- ①最寄りの自治体の福祉関係の部署に相談に伺う(市役所の障害福祉課など)
- ②最寄りの運転免許センターに出向いて運転適性相談・運転適性検査を行う
- ③改造業者を選び見積もりを取ってもらう
- ④市役所の障害福祉課等で改造前の申請を行う
- ⑤業者に車の改造を行ってもらう
- ⑥市役所の障害福祉課等で改造後の申請を行う
- ※前記したように障害の等級や前年度の所得額によっては給付対象外にあたる場合もあるので最寄りの自治体の障害福祉関係の窓口で改造前に必ず相談されることを勧めます
以上で自動車改造費助成制度についての説明を終わります
今回も最後までご覧いただきありがとうございました
また次回の記事でお会いしましょう