車の整備業務に40年近く関わってきた元整備管理者が解説します!
皆さんはこのような経験をした事は無いでしょうか?
車のエンジンは
- 良い混合気
- 良い圧縮
- 良い点火
この3つの条件が整って初めてエンジンが始動しスムーズに回転します
この条件のどれか1つでも不具合があるとエンジンが始動しなかったりエンジンがスムーズに回転しなかったりします
今回は上記のようなトラブルが発生した場合の原因と対処方法について解説していきます
そして突然のトラブルでもできるだけ速やかに対処できるようになりましょう
それでは車のエンジンがかからない原因と緊急の対処法を解説してみます
どうぞよろしくお願いいたします
車のエンジンがかからない!原因と緊急の対処法
車のエンジンが始動できないかからない原因の50%以上がバッテリーに関係する原因です
このことを踏まえて解説していきたいと思います
車のエンジンがかからない時の基本点検
行楽地などでの突然のクルマの故障…
車のキーシリンダーに鍵を入れて回してもまたはスタートボタンを押しても車のエンジンが始動しない!かからない!
セルモーターの回り具合を確認する
セルモーターの回り具合が
- セルモーターが全く回らない
- セルモーターが弱々しく回る又はセルモーターからカチカチ音がする
- セルモーターは元気よく回るがエンジンが掛からない
シフトレバーのポジション位置を確認する
そんな時は!
一番最初に基本的な確認として
- 一度キーシリンダーから鍵を抜く
- 改めてキーシリンダーに鍵を差し込む
なぜだかわかりますか?…
たまに居ます
シフトレバーを
- Pレンジ
- Nレンジ
以外に入れたままでエンジンが掛からない!
という方が
オートマチック車はシフトレバーの位置が
「ドライブ(D)レンジやセカンド(2)レンジ・リバース(R)レンジ」
などに入っているとエンジンが始動しない仕組みになっています
そのための確認です
シフトレバーの位置がPレンジ・Nレンジに入っていることをしっかりと確認しましょう
車のエンジンがかからない原因を症状別に解説
基本的な確認が終わったので車のエンジンがかからない原因を症状別に解説します
①セルモーターが全く回らない
最初にボンネット開けてバッテリーのプラス端子・マイナス端子の状態を確認します
- 緩んでないか
- 腐食していないか
- 付属配線は正常に取り付けられているか
- 付属配線は断線していないか
- ターミナル部分にヒューズが取り付けられている場合は切れていないか
などを確認します
バッテリーのターミナル部分に白い粉が付着している場合はバッテリー端子と配線取り付け部分が腐食しています
これはバッテリー液の入れすぎやバッテリーの内部の劣化によって希硫酸が蒸発しターミナル部分に付着して起こる現象です
バッテリーの点検やターミナルの清掃をしましょう
上記に異常なければヘッドライトの消し忘れ等でバッテリーの比重が落ちてセルモーターを回転する力が弱くエンジンが掛からない可能性があります
バッテリーの比重が落ちていると思われる場合は
- バッテリーケーブル(ブースターケーブル)による救援か
- バッテリーを充電するか
- バッテリーの交換をするか
の処置をとる
基本的に急いでいる場合が多いと思うのでブースターケーブルによる救援が一番だと思います
愛車の常備品として以下の3点は必需品です
- ブースターケーブル
- ジャンプスターター
- 三角停止表示板
ブースターケーブル
できるだけアンペア数が高くてコードが長いもの
アンペア数が高いと多くの電流を流すことができエンジン始動がしやすくなります
また軽自動車から大型車ジーゼル車まで使用することもできます
コードの長さが5メートルほどあると後ろ向きに止めた車とブースターコードでつなぐ場合にもコードが届きます
ジャンプスターター
ジャンプスターターはバッテリーに直接つなぐだけでエンジンを始動することができる優れものです
ブースターケーブルを持っていない時や近くに救援車がいない時でもエンジンを始動することができます
また小型軽量で置き場にも困らず車内の少しのスペースにも収納しておくことができます
三角停止反射板
路上でのトラブルで緊急停車時に車の後方に設置しておくことで追突を防止することができます
高速道路を走行する場合は必ず常備するようにしましょう
以上のアイテムはとても役に立つものです
最低限!車に常備しておくようにしましょう
その他に作業する上で安全上必要なものとして「絶縁ゴム手袋」もあると良いでしょう
特にハイブリット車など大きな電流が流れる車には必需品となります
最低でも軍手を履いてケーブル端子同士を接触させたりプラス端子は鉄板部に触れないように取り扱いましょう
ブースターケーブルをバッテリー端子に接続する場合は
- ①最初に故障車のプラス端子→
- ②救援車のプラス端子→
- ③救援車のマイナス端子→
- ④故障車のバッテリーから遠いボディアース
外す時は逆に④→③→②→①の順に
先程も言いましたがブースターケーブルは100A以上で5m以上(後向きでも届く長さ)の物、アンペアが低いと電気の流れが悪い為です
又、ハイブリット車は専用の口細ブースターケーブル(普通のワニ口だと端子を噛めない)を用意しましょう
更に救援車が居そうもない山の中とかに行く場合はガソリン車・ジーゼル車両対応の「ジャンプスターター」充電は忘れずに前もって準備して出かけましょう
以前はものすごく高かったジャンプスターター
最近の物は値段も安くなり高性能で小型化して持ち運びにもとても便利です
ジャンプスターターは車以外にもスマホの充電や夜間照明の電源にも利用できるので1つは車に積んでおいても良いのではないでしょうか…
以上の作業でもエンジンが掛からない時はセルモーター本体に原因があると思われます
最悪JAFの救援待ちになる可能性がありますが
裏技〜エンジンをかける最後の手段
山の中や人気のいない場所でトラブルにあった場合の対処方法
(最後の手段です・自己責任で)
セルモーター本体が目視で確認できる場合、長くて少し太い枝か棒を探しセルモーター本体に衝撃を加えてください
*配線や他の部品を傷つけないように細心の注意を払って
その後エンジンキーを回すとエンジンがかかる場合があります
永年劣化による焼き付きや接触不良による故障です
ただしその場は直って車を走らせることができたとしてもすぐにまた止まる可能性があります
エンジンを止めずに修理できるところまで移動し速やかにセルモーターの交換を行うことを勧めます
②セルモーターが弱々しく回る又はセルモーターからカチカチ音がする
②も①と同じ様な対処で解決すると思います
③セルモーターは元気よく回るがエンジンが掛からない
③に関しては原因が多岐にわたります
単純なところでガス欠・燃料ポンプ故障・等々…
基本的にはバッテリー系統の故障が殆どです
エアコンの使いすぎ・ノロノロ運転での充電不足等が原因です
それ以外の原因の場合はJAFなどの救援を要請した方が良いでしょう
万が一の為のJAFの連絡先
一般的に車の損害保険や車両保険にロードサービスも付随していますが対応距離数が100キロまでとか作業時間が30分以内とか無料サービスは1回だけとか保険適用外が多く有料になってしまう場合も多々あります
JAFは保険適用外のトラブルにも利用回数の制限もなく何度でも対応しています
車に詳しくない女性や年配の方に特にオススメしたいロードサービスです
一般の自動車保険は保険対象が車ですがJAFの会員になると保険対象が人になるのでご自分が同乗しているだけの車であっても保険の対象になります
また車のみならずバイクでも同じ対応となります
JAFの会員になると車のロードサービス以外にも映画館での割引やドラッグストアでの割引券など日常でもいろいろなところで割引サービスを受けることができます
車に乗られる機会が多い方や仕事やレジャーで車を使う機会が多い方はぜひこの機会にJAFの会員登録されてみてはいかがでしょうか
行楽などで遠出される方も多いと思います
万全の準備で楽しい休日を過ごして下さい
では又お会いしましょう!