
車のハンドルが重い原因と改善方法「10箇所の基本点検と深堀点検」
*難しい部品名や言葉は青色で表記しクリックすると解説ページへリンクします
*本文内での略称名
パワステ=パワーステアリング
はじめに
車のエンジンを始動して発進時にハンドル操作をした時や運転中の右左折時などに「ハンドルが重い」とか「ハンドル操作時に違和感」を覚えたりしたことはありませんか?
お仕事の疲れや長距離運転での疲れからハンドルが重いと感じることももしかしたらあるかもしれませんが
明らかにハンドル操作に違和感を感じるようであれば故障して立ち往生したり事故をおこしたりする前に速やかに点検修理されることをお勧めします
また車のハンドルが重いと感じた時に
車にあまり詳しくない方でも簡単に確認できる
「基本点検箇所10箇所」
を紹介します
そして一つ一つ対処方法を解説していきます
更に!「基本点検箇所10箇所」を点検しても症状が改善しないときには
「ハンドルの重い原因を深堀点検」
して徹底的に故障探求して解決に導いていきます
どうぞお楽しみください
なお車のハンドルが重い場合の故障探求の手順は記事の見出しの順に作業を進めて行くことによって効率よく点検を実施できるようにしています
この記事は全て私がディーラーでの整備士・フロントマンの時代から長く営業車の整備管理者として従事していた最近まで経験し修理に当たった実話を元に記事を書き連ねたものです
是非!車のハンドルが重くどんなことをしても改善されない時に参考にされお役立ていただければ光栄です
パワーステアリングが重い場合の基本点検箇所
車はどのような修理でも基本点検というものがあります
ハンドル操作が重いなどと言う場合もステアリング装置を修理する前に基本的な点検箇所があります
例えばタイヤの空気圧は適正かタイヤは摩耗していないかタイヤのサイズや種類は定められたものが使用されているかなどを前もって点検しなければなりません
またパワーステアリングオイルの量は適正に管理されているかパワーステアリングベルトの張力は適正に管理されているかこのようなことが基本点検の内容になります
明らかな原因箇所が判明している以外は
基本点検を実施してからステアリング系統の故障探求に移っていきます
これはステアリング系統の原因探求の場合だけではなく
あらゆるクルマの不具合の原因探求をする場合に先ずは基本点検から行うということです
*車の基本点検の内容は車の取り扱い説明書などに記載されています
車のハンドルが重い場合の基本点検10箇所
基本的な不具合原因として10箇所を故障頻度の多い順に箇条書きにしました
点検箇所 | 点検内容 |
1〜タイヤの空気圧 | 空気圧の不足 |
2〜タイヤの状態 | 磨耗していないか |
3〜タイヤサイズ | サイズは適正か |
4〜タイヤの種類 | プライレーティング*1は適正か |
5〜パワーステアリングベルト | 張力*2は適正か |
6〜パワーステアリングオイル | 過不足/汚れはないか |
7〜ステアリングオイルの種類 | オイルの種類は適正か |
8〜ハンドルの状態 | 小径ハンドルを使用していないか |
9〜車の外観の状態 | 車の傾き前のめりはないか |
10〜車の改造 | 足回りの改造はないか |
車のハンドルが重い原因の基本点検箇所を実際の点検順に一つ一つ解説していきます
車のハンドルが重い場合の基本点検箇所い
1~タイヤの空気圧は適正か
タイヤの空気圧が低いと一般的にハンドルは重くなります
ハンドル操作した時に空気圧不足によりタイヤの接地面の抵抗が増大するためです

タイヤの空気圧が規定値の状態でもハンドル操作が重い場合には空気圧を通常の10~20%程度多く入れてみましょう
*高速道路走行時と同じなので全く問題はありません/タイヤの両サイドが偏摩耗する場合にも効果があります
これで燃費とともにハンドルの重さもかなり改善されます
特に冬場はタイヤの空気圧が低くなる傾向になります
気温が下がり気圧の変化も加わり空気圧が下がりハンドル操作が重くなる場合があります
なおたびたびタイヤの空気が不足しているようであればパンクしている可能性もあるので修理機材の揃っているとこでいちど点検して見てください
ハンドル操作が重いと感じたらまず初めにタイヤの空気圧を点検してみましょう
2~タイヤは磨耗していないか
タイヤが摩耗していると接地面積が広くなり一般的にハンドルが重くなります
またタイヤは一定以上摩耗すると柔らかい材質に変わります
そのことによりハンドル操作が重くなることもあります
ハンドル操作が重いと感じたらタイヤの摩耗状態も確認しスリップライン限度付近のタイヤは新しいタイヤに交換しましょう
3~タイヤサイズは適正か
純正装着のタイヤと交換して扁平タイヤや幅広タイヤを装着するとハンドル操作が重くなります
これもタイヤの横幅が広くなることにより接地面積の抵抗が大きくなるためです
口径(直径)が大きなタイヤサイズは地面との接触面が大きくなるためにハンドル操作が重くなります
またタイヤ全体の重さも重くなるとハンドル操作も重くなります
タイヤサイズが違っていたら適正なタイヤを装着してハンドルの操作感を確認してみてください
4~タイヤの種類は適正か
貨物車に乗用車用のタイヤを取り付けてもハンドル操作は重くなります
これも地面との接地面積が広くなり抵抗が増大するためです
タイヤ自体にも一般的に使用するタイヤ・レース用のタイヤなどいろいろな種類があります
クルマにあったタイヤの選択が必要です
タイヤの種類の中には乗り心地重視でサイド面を極限まで柔らかく作られているものがあります
このようなタイヤは一般的にハンドル操作が重くなります
車に合ったタイヤなのか確認し違う種類のタイヤが付いていた場合は交換して確認してください
5~パワーステアリングベルトの調整は適正か
パワステポンプが油圧を発生させることができなくなればステアリングラック内に油圧を送ることができずハンドル操作が重くなります
6~パワーステアリングオイルは不足していないか
一般的にはパワーステアリングオイルが減るようなことはないのですがホースのつなぎ目やパワステ本体からオイル漏れが発生する場合があります
パワステオイル漏れが発生しパワステポンプ内のパワステオイルが減少するとパワステポンプで油圧を発生させることができないためにハンドルが重くなります
7~パワーステアリングオイルは適正か
まれにエンジンオイルやブレーキオイルなどを間違って入れている場合があります
適正なオイルが使用されているか確認してください
(適正なオイルかどうか判断できない場合は専門家に相談すること)
8~ステアリングハンドルは適正か
小さな口径のハンドルに交換するとハンドル操作が重くなります
回転運動のテコの原理と同じです
中心軸から近くなると重くなるということです
反対にハンドル系を大きくしたり太めのハンドルカバーを取り付けることにより簡易的にハンドル操作を軽くすることができます
9~車の外観に異常は見られないか
事故を起こした車や改造した車/懸架装置に異常がある車などはまれに車体が左右に傾いていたり前のめりになっていたりすることがあります
車体の左右の傾きや前のめりがあるとホイールアライメントが狂ってしまうためにハンドルが重くなります
車の左右前後が水平になっているか外観を見て確認しましょう
10~車を改造していないか
車の改造は合法な改造でも車のハンドル操作を重くしてしまう場合があります
またアライメントなどが狂うためにアライメント調整をしないとハンドルが重くなるばかりかタイヤの偏摩耗などを起こす可能性も出てきます
ショックやスプリングの変更またはシャコタンなどに改造していないか
ショックやスプリングなどを改造して車高を変えたりホイールハブにシムを噛ませてトレッド幅を変更していたりすると同じようにホイールアライメントが狂うために車のハンドルが重くなります
車を改造変更する場合はしっかりとフロントアライメントを調整し直しましょう
シャコタンなどに改造している場合はアライメント調整してタイヤの偏摩耗は防止できても車のハンドルが重くなる現象は避けられない可能性もあります
以上の十箇所がステアリングハンドルが重い場合の基本点検箇所になります
一般的にネットで見る「車のハンドルが重い原因」として書かれている記事はここまでの10箇所の不具合内容をまとめたようなものが多いと思います
しかし上記のような基本点検作業を全て行ってもなおかつハンドル操作が重く症状が改善されない場合が多々あります
この後の記事はパワーステアリング系統の専門的な点検と故障探求に進んでいきますができるだけわかりやすく解説します
それではハンドルが重い原因の深堀解説をしていきましょう
どうぞよろしくお願いいたします