プリウスのブレーキオイルのエア抜きとコンピューター診断機
Yahoo!知恵袋の質問に回答しました!シリーズ
今回の質問はハイブリッド車のブレーキオイルのエア抜きを行う場合にコンピューター診断機は使用するのか…
使用する場合はどういう使い方(セッテング)をするのか…
「コンピューター診断機の購入についてもアドバイスをもらいたい…」
という様な質問です…
質問内容を読み解きまずは「直球回答」…
そして現在…コンピューター診断機を使い作業してて思う事を「深掘り解説」していきます…
では質問者様からの相談からです…
質問〜リヤカップキットを交換した場合のエア抜き方法ですが…
2019/9/1923:41:08
20系のプリウスで質問です。
リヤカップキット交換した場合のエア抜き方法ですが…
ダイアグ(診断機)?使用しないとエア抜き出来ないのでしょうか?
ブレーキ制御禁止モード?にすると
診断機なしでもエア抜き作業出来るのでしょうか?
10万以内で格安の診断機を見つけ購入するか検討中です
アドバイスお願いします
質問に対する直球回答〜
こんにちは
質問に対して直球回答していきますね…
私の回答は…
コンピューター診断機無しでブレーキオイルの交換は…
【やらないほうがいい…】
です…プリウス20の営業車を数台…8年以上45万キロ以上整備して来ての経験からそのように助言します(後ほど解説します)…
プリウス20系は「ブレーキ制御禁止モード」は設定できないと思われるが…
プリウス30系以降では確かにネットなどを検索すると…診断機無しでの交換事例があります(かなり面倒です)
更に…コンピューター診断機無しでブレーキオイルを交換されて万が一にでも失敗した場合…更に面倒になります…
ご自分でハイブリッド車の「カップ交換」されるくらいで有れば…
是非!「コンピューター診断機」を頑張って所持されてはいかがでしょうか…
友達や近所の人の車も助けられますし…勿論!商売もできます…一回の診断料の相場は4千円です…
デンソー製DST-iスタンダードコンピューター診断機
また…購入金額10万くらいまで考えられているのであれば…
もう少し頑張ってトヨタディーラーでも使用されている
「デンソー製DST-iスタンダード」を勧めます…
定期メンテナンス
日常的に良く使う作業サポート機能を抜粋し作業別に選択可能。システム毎の煩わしいメニュー操作が必要ないため目的の作業がすばやく行えます。
作業サポート
ブレーキフルード交換(HV車のエア抜き)、バッテリー交換(積算値初期化)、AT/CVTフルード交換(油温確認、電動オイルポンプ駆動)、タイヤ交換(*TPMS搭載車のID登録)などを画面の指示に従い簡単に実施できます。
ソフト込みで13万位かと…
以上が「直球回答」です…
ここからは質問に対する「深掘り解説」です
①〜まず質問者様が車の整備に携わっていらっしゃる方なのであれば…
問答無用で「コンピューター診断機」は準備されてください…
■超小型「てのひらサイズ」オシロスコープ
■USB、SDカードでパソコンとリンク
■最大4ch、最速64メガサンプリング/秒
■チャンネル間絶縁
パソコン連携オシロスコープ
SDカードへ保存したデータは、パソコン用ソフトで詳細な解析が可能。 また、USBケーブルで接続すればパソコン上で直接車両のデータ収集が行えます。
近年の車整備は「コンピューター診断機」が無ければ整備業務は難しいです…
それが出来なくて顧客が離れて行き工場をたたまれた方を何人も聞いてるし知っています…
パソコンと同じです…
実践しながら覚えて行くと「なるほど!そういうことか…」と車の修理が楽しくなります…
故障コードの読み取りをして大まかな故障箇所を長年の整備経験で狭めて行き故障原因の判定を下すことができる…
また今回の様に「作業サポート」もコンピューター診断機が有れば簡単に出来ます…
整備に携わる方・車整備を趣味とされる方も所持されても良いのではないでしょうか…
②〜質問者様が個人の方であっても今回の方の様に「カップ交換」されるくらいレベルがあるので有ればスマホと同じ様な感覚で「コンピューター診断機」を所持するのはなんらおかしくありません…
それだけ現在の車はコンピューター化されていて…修理に入る最初に使用するのがスパナやドライバーよりも…「コンピューター診断機」という事です…ましてやハイブリッド車です…「コンピューター診断機」は必至アイテムです…
私がコンピューター診断機を使い始めたのは…
今から8年ほど前だと思います…営業車としてプリウス20が数台導入され車検整備時のブレーキオイル交換を診断機無しでやれないか当時…ディラーや取引先に聞いたのですが…
情報はありませんでした…
そんな中で聞こえてくる話が…診断機無しでブレーキオイル交換をして【ブレーキ配管内やアクチュエータにエアが入りディラーに積載で運ばれて修理した】等の話です…
そんな時期に車検前に度々「警告灯」が点灯する車両が現れて来ました…
営業車の1営業単位は20時間・200キロ以上にもなります…電気系統の失火や燃料系統の一度きりの不具合でも警告灯が点灯しその度にディラーで「警告灯の異常信号消却作業」をしなければなりませんでした…(その後はまた普通に走ります)
そんな事が何度か続き…ブレーキオイル交換以前にハイブリッド車は「コンピューター診断機」が無ければ自社修理は出来ないことを悟り「コンピューター診断機」を導入するに至りました…
プリウス20の修理の一例を紹介すると
(ハイブリッド車は大体同じだと思いますが)…30万キロ走行の一台がメインバッテリーに満充電されずバッテリーの寿命かと思いつつコンピューター診断機をOBD2に接続して点検すると…
メインバッテリー用のブロアーモーターが寿命で送風されず…メインバッテリーが高温になり充電強制遮断システムが働き充電されなかった修理も経験しました…
ブロアーモーターの交換と送風配管系統の清掃でメインバッテリーは復活し45万キロまで持ちました…そんな故障が「コンピューター診断機」で直ぐに判定できます…
点火系の故障も読み取る事ができる
その他…営業中にエンジンの調子が悪くなったが今はなんともない…警告灯も点灯していない…そんな時に「コンピューター診断機」を接続して点検すると電気系統の何番目のダイレクトコイルが失火したか(プラグは一年に一度交換するのでまず壊れることはないです)診断機の故障コードで読み取る事ができます…
走行キロや使用年数で寿命と判断すれば…早期交換処置が取れて突然の道路上でのエンスト等を防止することもできます…
もう一度言います!ハイブリッド車の修理には「コンピューター診断機」が必至アイテムです!
今回の質問者様はある程度…整備の知識を持っておられる方だと思います…繰り返しになりますが…ハイブリッド車のホイールシリンダーのオーバーホールされる様な知識があるので有れば診断機は必需品という事です…
今回一度きりのブレーキオイルの交換で有ればオーバーホールも含めてディラーや専門家(診断機所持者)に頼まれた方がよろしいかと思います…
最後に私が使用している「DENSOのDST-iコンピューター診断機」の取扱説明書がダウンロード出来るリンクを下に貼っておきます…
「ブレーキオイル交換の作業サポート」など…どの様に操作してどんな画面なのか…ある程度の雰囲気をつかむ事ができます…
プリウスのみならず国産車・一部外車にも幅広く使用出来…新型車やモデルチェンジ車等が発売されるたびに有料ではありますが「アップデート」がされます…将来に渡り使用できるという事です…
前記した様にご自分の車以外にも「診断・判定」が出来…商売ができるという事です…是非!所持して修理の幅を広げて下さい…
以上です…
DENSOコンピューター診断機〜DST-i シリーズ「資料ダウンロードサイト」
DST-iスタンダードソフト 取扱説明書(Ver.3.80~)
まとめ〜
如何でしたか…コンピューター診断機は必至アイテムです!を連発しましたが…多くの年配(私もそうですが)の方が整備工場をたたまれている原因の1つが(故障が少なくなったということもあると思いますが)車のコンピューター化に対しての対応が出来なくなった…ということもあるのではと…
昔であれば車の点検は部品一つ一つ分解し目視で点検して修理作業をする…でした…
現在は…部品の目視の点検もありますが…定期点検時に車載コンピューターを「コンピューター診断機」で診断しお客様に定期交換部品と合わせて車の状況を説明してお金を頂くという事です…
複雑な現在の車の装置・装備品もコンピューター診断機を使いこなすと長年の経験と知識で故障コードから異常個所・交換部品をかなり狭めて判定・修理する事ができます…
ドンドン…車の修理が楽しくなりますよ…
ではまたお会いしましょう…