冬を乗り切れ!寒冷期のクルマのトラブル事例と解決策…

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冬を乗り切れ!寒冷期のクルマのトラブル事例と解決策…

読者のみなさんはクルマの冬の準備はお済みですか?…

積雪地での整備経験に加え営業車の整備管理者に20年近く従事していると冬季間特有のクルマのトラブルをなんども体験しています…

今回は寒冷期に体験したクルマのトラブル・不具合で特に多い故障事例を紹介することによって…読者の皆様のクルマのトラブル防止や解決に役立てて頂ければ幸いです…

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まずは基本点検…

寒冷期にかかわらず何かクルマにトラブル・不具合が発生した場合は基本点検整備が的確に実施されているかの確認が最初の作業になります…

エンジンオイルの汚れ・量・適正なオイルかバッテリー液などは適正に管理されているのか…消耗品などは適正な時期に交換されているのか…

この事においても日常点検整備がいかに大事かということがわかると思います…日常点検は誰にでも出来ます…

下記のURLに中学生でもわかるレベルで基本点検・日常点検について図解入りで解説しています…参考にされてください…

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ドアキーが回らない

クルマに乗ろうとしてドアキーを回したが回らずドアロック解除がされない…

原因はキーシリンダー内の水分が凍結してドア内張り内のリンクが動かずドアロックが解除されない…寒冷期によくあるトラブルです…

予防処置として前もってキーシリンダー内に潤滑油を吹き付けてキーシリンダー内の動きをよくしておく事によってトラブルは未然に防げます…

トラブルが発生してしまった場合には鍵穴解氷剤などを吹き付けて凍結したキーシリンダー内を解凍してトラブルを解消してください…

エンジンスターターのススメ

エンジンスターターはリモコンで前もって車内を温めて置くことにより凍りついたフロントガラスの解凍や…

暖気運転する事によりエンジンオイルが温められ発進時のエンジン負担を減らしクルマの長寿命にもつながります…

また車内を温める事によりキーシリンダー内の解凍にもなりドアロック解除やドアの開閉の負担を減らす事にもつながります…

寒冷地ではドア自体が凍りついて開かない場合も珍しくありません…クルマを長持ちさせるためにもエンジンスターターはおススメです…

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エンジン始動不能

寒冷期にエンジンがかからない一番多い原因がバッテリー上がりです…しばらく乗っていなかったクルマを始動させた時…

ライトや灯火類・室内灯などの消し忘れによりバッテリーの電圧・比重が下がりセルモーターを回転させるための電流が供給されない…

など上記の原因が多いのですが…車上でのバッテリーの良否判定・それ以外の原因の見極め方を解説します…

工具・テスター不要…車上でバッテリーの良否判定…

まずキーをスタートの位置にしてもエンジンがかからずセルモーターも回らない場合…キーをスタート位置の状態でホーンボタンを押してください…

クラクションが勢いよく鳴る場合…

バッテリーは正常です…セルモーターなど他の部品の不具合でエンジンがかからない状態です

クラクションが鳴らない・弱々しい場合…

バッテリーが原因でエンジン始動不能です…ブースターケーブルをつなぐとエンジン始動出来ます…

セルモーターが勢い良く回るがエンジンがかからない…

バッテリーやセルモーターは正常です…他の原因です…あらゆる原因が考えられます…専門家に相談しましょう…

セルモーターの不具合でエンジンがかからない場合…

セルモーターが回らない場合…セルモーター本体に衝撃を与えるとエンジンが始動する場合があります…

少し荒業ですが…緊急事態時に自己責任でやられる場合は下記のURLを参考にされてください…(2×4の150センチほどの角材の様なものが必要です…)

どうしてもエンジンがかからない場合…

出先などでどうしてもエンジンがかからない場合には無理をせず修理工場に連絡を取るか…JAFなどのロードサービスなどを利用しましょう…

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寒冷地の珍しいエンジン始動不能事例

寒冷地では通常では考えられない様なエンジンが始動しない事例があります…積雪量が多く朝晩の冷え込みが厳しい地でクルマの整備をしてきた中での故障事例を紹介します…

マフラーのつまり・凍結

当時は積雪量の多い地元ディラー勤務で…板金屋さんからの依頼で何をやってもエンジンが始動しない車があるので見て欲しいとの電話…

広い駐車場に1週間ほど前にクルマを止め板金作業の為クルマを移動しようとエンジンをかけようとしたが…セルモーターは回るがエンジンがかからない…燃料も来ているとの事

吹雪や降雪が続き更に寒暖の差もあった1週間でした…バッテリー・セルモーター電気系異常なし…燃料も来ている…残るは圧縮系…

エアクリーナー吸気口に手を当てても空気を吸い込んでいる様子がない

もうわかりましたね…

マフラー内の水分や吹き込んだ雪により凍結して排気不能でエンジン始動不能…マフラーとエキゾーストマニホールド間を切り離して再度エンジン始動…かかりました

寒冷地で降雪量も多い地域では屋外に駐車するとこの様な事もおきます…ボディカバーを被せたりマフラーやエンジンルームに雪が入らない様に工夫する事も大事です…

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寒冷地は燃料のオクタン価が違う

同じレギュラーガソリンでも北海道などの寒冷地と首都圏などではガソリンのオクタン価が違います…その事も頭に入れておきましょう…

首都圏在住で近郊の山間部などのスキー場に行かれた場合などにエンジンのかかり具合が悪い場合はガソリンのオクタン価の違いも考えられます…

山間部など高山に行かれる場合はスタンドなどでオクタン価やハイオクの混合など相談されてから行かれた方が良いかもしれません…

もちろん…クーラント濃度など寒冷地対策を十分にされてです…クルマの冬季対策については下記のURLに詳しく解説しました…参考にされてください…

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車内が暖かくならない

エンジンを始動させ…ヒータースイッチをオンにしてしばらく(15分以上)経っても車内が暖かくならない…

最も多い不具合の原因

一番ポピュラーな原因として「サーモスタット」の不良が考えられます…サーモスタットはエンジン内循環水温度が88度(一般的に)以上になるとバルブが開く部品です…

サーモスタットのバルブが開きっぱなしになると車内に熱い循環水を送り込むことができずヒーターがきかないなどの症状が出ます…

一般的にはサーモスタットを新しいものと交換することにより症状は改善されます…それ以外にも色々なヒーター系統の不具合があるので説明していきます…

下図はヒーター系統の分解図です…こちらの図面を参考に解説していきます…まず不具合内容の詳細から一つ一つ原因探求していきます…

ヒーター・エアコンデショナー系統〜分解図

サーモスタット以外の不具合

◎ヒータースイッチを入れてもファンが回らない

  • 原因として考えられるのが…
  • ヒーターヒューズ
  • ヒーターリレー
  • ブロアーモーター
  • ヒータースイッチ
  • ヒーターレジスター
  • ヒーター系統の配線・コネクターの接触不良・断線など

考えられる原因としてたくさんありますが…最も多いのがヒューズ切れとブロアーモーターの不具合です…作業手順としてその辺から点検されると良いでしょう…

◎ヒータースイッチを入れて「HI」にしても送風が弱い

  • 考えられる原因として…
  • ブロアーモーター
  • ヒーターフィルターの詰まり

上記の2箇所の不具合が最も多いです…ヒーターフィルターは一般的にブロアーモーターとヒーターラジエターの間にあります…

取り外し可能な様に組み付けされていますので取り付け場所をクルマの取扱説明書などを参照して確認し定期的にクリーニングしてあげましょう…

◎ヒータースイッチの「HI」しかブロアーモーターが回らない

  • 考えられる原因として…
  • ヒーターレジスター

これはヒーターレジスターの不具合になります…ただし…一次原因としてブロアーモーターの過電流による場合もあります…

度々…ヒーターレジスターが壊れる場合はブロアーモーターも併せて交換されることを勧めます…モーターへの過電流は危険です…

◎ヒータースイッチを入れても温風が出てこない(冷風が出る)

  • 考えられる原因として…
  • サーモスタットの不具合
  • ヒーターコックの不良
  • ヒーターコントロールの破損
  • コントロールワイヤーの外れ
  • サーボモーターの不良

サーモスタットの不具合については前記した通りで…それ以外に上記の不具合によりエンジンで温められた温水が車内のヒーターラジエターに送られてこない為に起こります…

その中でも最も多い原因はヒーターコントロールの破損とサーボモーターの故障です

◎ヒーターレバーを操作しても吹き出し口の切り替えが出来ない

  • 考えられる原因として…
  • コントロールワイヤーに配線などのからみ
  • ヒーターコントロールの破損

後付け電装品の配線の取り回し時にヒーターワイヤーやサーボモーターのリンクに配線などが引っかかり不具合を起こす場合もあります…後付け作業は十分注意して施工してください…

ヒーターコントロールユニット内の損傷…ユニットは一般的に金属と樹脂部品の組み合わせでできています…

決して丈夫な作りにはなっていないのでレバーでの切り替え操作時は乱暴に扱わない様にして下さい…また必要以外にはガチャガチャ動かさない様に…

◎ヒータースイッチを入れると助手席足元から異音がする

ヒーターの温度には関係ないのですが…ブロアーモーターから「キュルキュル又はシュルシュル音」などが聞こえてきたら早めに交換しましょう…

又…センターダッシュボード下あたりから「キュイーンキュイーン」音が聞こえてきたらサーボモーターです…

オートエアコンなどで寒暖や吹き出し口切り替えがうまくいかない場合はサーボモーターを点検しましょう…

◎ダッシュボードセンターコーソール下あたりに水漏れがある

最も怖い症状です…室内のヒーターラジエター関連の水漏れが疑われます…車種にもよりますが…ダッシュボードを全て取り外しての作業になる場合もあります…

車内のヒーターラジエターからの漏れで2回ほど交換作業をしましたが2度とやりたくない作業です…滅多に壊れる箇所ではないのですが…

予防処置としてクーラントは定期的に交換する事くらいです…部品の当たり外れもあるのであとは天任せです…

本格的な寒さを迎える前に…不具合を感じたら早めの点検修理をしましょう…

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ワイパーが動かない

冬季間ワイパーを立てて置かないでフロントガラスに雪が積もった状態でワイパーを作動させたり…ワイパーが凍結してフロントガラスにくっついた状態で作動させると…

ワイパー系統に負荷がかかり最悪の場合…ワイパーが作動しなくなる場合があります…寒冷期は出来るだけワイパーを立てておくことを勧めます…

万が一に取扱ミスなどでワイパーが作動不能になった場合の故障探求について作業手順に沿って説明していきましょう…

ワイパー系統〜分解図

ワイパースイッチレバーを倒してもワイパーモーター音がしない場合

  • 考えられる原因として…
  • ワイパーヒューズ
  • ワイパースイッチ
  • ワイパーモーター
  • ワイパー系統の配線・コネクター等の接触不良

冬季間の無理なワイパー使用による不具合の場合には最も考えられる原因としてヒューズ切れだと思われます…

永年車においてはワイパースイッチやワイパーモーターも劣化が進んでいるのでヒューズ切れでない場合は点検が必要です…

ワイパースイッチをonにしてワイパーモーターに電源が来ているか確認しきていなければワイパースイッチの不良が考えられます…

ワイパースイッチレバーを倒してワイパーモーター音がする場合

  • 考えられる原因として…
  • ワイパーリンクの外れ・損傷
  • ワイパーアームのゆるみ・損傷

上記の2箇所の不具合が考えられます…ワイパーリンクがワイパーモーターのボールジョイントから外れた場合…ワイパーリンク自体の破損…

ワイパーリンクとワイパーアームの取り付け部のゆるみ…症状によってはワイパーアームの取り付け部の増し締めだけで解消する場合もありますが…

損傷が酷い場合はワイパーアーム・ワイパーリンクともに交換しないと再度…不具合が発生することもあります…

降雪時や寒冷期のワイパーの取り扱いには十分に注意される様にしてください…最悪はフロントガラスに傷が付き交換ということにもなりかねません…

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発進・走行時の注意点

凍結などでブレーキに引きずりがあっても積雪や凍結路ではクルマはタイヤが回転しないまま走ってしまいます…冬場のブレーキの管理について解説します…

またサイドブレーキの不良や凍結などによってもタイヤがロックしてしまいます…何故そうなるのか…その辺を解説していきます…

サイドブレーキの凍結

前日にサイドブレーキをかけて駐車し翌日朝にクルマを動かそうとサイドブレーキを戻し走り出そうとするのだが…車が動かない…

サイドブレーキは確かに解除しているのに…何かおかしい…

原因はサイドブレーキワイヤーの戻り不良です…ワイヤー可動部のブーツの破れなどで水がワイヤー内に侵入し凍結してスプリング力だけでは戻れなくなり…ブレーキの引きずりを起こす…

というような症状です…解決策としてはブーツ単品では販売されていないと思うのでサイドワイヤーassy交換となります…

寒冷地や積雪地では冬季間はサイドワイヤーを引かないで駐車するのが一般的です…坂道などの駐車は避け輪止めをしての駐車を勧めます…

しかしながら…凍結や積雪状態で通常の輪止めは滑って使用出来ないと思うので…近くにある氷の玉や雪を踏み固めて輪止めにして駐車する事…

デスクブレーキの引きずり

寒冷期は特にデスクブレーキの引きずりには注意が必要です…凍結した路面ではタイヤがスリップした状態で走行することにもなります…

カーブやアクセルを離した時に思わぬ方向にクルマが進んでしまうなどして事故につながるケースも想定されます…

発信が重い・走行フィーリングがいつもと違う・燃費が悪いなどの症状を感じた場合には無理なクルマの使用は避けてクルマの専門家に相談されてください…

デスクブレーキの引きずりの点検は誰でも簡単にできます…フロントタイヤをジャッキアップしてタイヤを空回した時に両手を使って回る様であれば引きずりはありません…

両手で思いっきり回そうとしても回らない場合はデスクブレーキのピストンが固着している可能性があります…専門家に相談されて判断を仰ぎましょう…

種類の違うタイヤ装着

乾燥路面では左右のタイヤの種類が違っていてもそれほど走行時の違和感は感じられないかもしれないのですが…

圧雪や凍結状態の路面では左右の冬タイヤの種類が違うと走行性能やブレーキ性能に大きな違いが出てとても危険です…

冬タイヤに関しては(夏タイヤも同じく)必ず同サイズ・同種類のタイヤを左右に装着するようにしてください…

空気圧の管理

冬季間はタイヤの空気圧の管理もしっかりと行わないといけません…左右のタイヤの空気圧の差が有ると走行時やブレーキング時に思わぬ方向にクルマが進みます…

今一度…空気圧の点検をされて4本とも規定の空気圧になっているか確認して下さい…空気圧の点検も日常点検の一つです…

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寒冷期の車の維持管理

ワイパーを立てておく

寒冷地・積雪地では勿論ですが…ワイパーを立てて置くことのできる環境にあるのであればそれ以外の地域でも立てておくことお勧めます…

ワイパーゴムの損傷や拭き取りのトラブル解消のみならず…ワイパー系統の不具合を防止し長く快適に維持できます…

クルマを風上に向けない

クルマのフロント部分(エンジン部)を冷たい風が当たる方向に向けて駐車するのではなく…出来るだけ風下に向けバッテリーなどに直接冷たい風が当たらないようにする工夫も必要です

また寒冷地の山間部などに出かけられた時などマフラー排気口やエンジンルーム内に雪や冷たい風が入り込まない様に工夫する事も必要です…

サイドブレーキを使わない

首都圏ではサイドブレーキが凍ったなどと修理に入る事はあまり聞かないかもしれませんが…永年車や中古車はサイドブレーキも機能が低下しているものもあります…

上記した様にスプリングの戻りが悪くなっていたりワイヤーブーツが破れている状態でサイドブレーキを引いて置くと凍結して朝方トラブルになる場合があります…

周囲の状況を確認して安全な場合にはサイドブレーキを掛けずに輪止めなどを使用して駐車して下さい…あらかじめ不具合を感じている場合には早めに専門家に相談されて下さい…

タイヤハウス内の雪は取り除く

豪雪地帯に行かれた場合には…走行中にタイヤハウス内に雪が溜まってしまう場合があります…駐車される場合は必ずタイヤハウス内の雪を取り除いて下さい…

そのままにして置くと翌朝…エンジンがかかってもタイヤハウス内の雪が凍りついてハンドルが切れない事態に陥る場合もあります…

むやみに洗車しない

冷え込みが厳しい時期に洗車機などでクルマの洗車をすると…拭き取りをしっかりしたつもりでも…翌朝…キーシリンダーやドアが凍りついて開かない場合もあります…

冬の洗車は暖かく乾燥した日で拭き取りもしっかり行い…キーシリンダーなどもケアしておきましょう…

まとめ

冬季間のクルマのトラブルについて…クルマに乗車するところからのトラブルを順を追って説明してきましたがお役に立てたでしょうか…

クルマは人間と同じで寒さに非常に弱いです…通常であればなんら問題がない箇所・部品が寒くなってくると異常や不具合を起こします…

なにかいつもと違う不具合や異常を感じたら早めに専門家に相談されて不具合を修理されて寒い冬を乗り切りましょう…

ではまた次回の記事でお会いしましょう…