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エンジンオイルの交換サイクルって何キロ毎が良いの?…

エンジンオイル オイル交換サイクル

クルマのエンジンには欠かせない「オイル交換」…今回はクルマの整備の中でもっともポピュラーなオイル交換に付いて考えていきましょう…

オイル交換のサイクルって読者の皆さんはどうされていますか…エンジンオイルの交換サイクルについてはネットでも色々な意見が散見されています…

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◎オイル交換サイクル…3千キロ毎?5千キロ毎?1.5万キロ毎?…

昔は(30~40年前)オイル交換と言ったら5,000キロに一回が一般的だった様に記憶しています…

最近はエンジンの性能が良くなったとか…安いオイルでも昔に比べると性能が良くなったから1~1.5万キロに一回でも良いとの車種もあります…

しかしながら…エンジンオイルの交換サイクルに付いてはメーカーやカーショップ・スタンドなどのそれぞれの業界の思惑もあるのではと私は感じています…

若い頃ディーラーで点検や車検などの際に何度もオイル交換をし…その後…カーショップでのピット作業でもあらゆる車種のオイル交換を幾度となくこなして来ました…

そして今…営業車を70万キロ超走らせる為のメンテナンスをしている整備管理者としてオイルの交換サイクルに付いて率直に述べさせていただきます

◎メーカーのエンジンオイル交換の推奨サイクル

多くの国内メーカーのエンジンオイルの推奨交換サイクルは普通車で1年又は1~1.5万キロ毎…軽自動車でも1年又は1~1.5万キロ毎です…

普通車や軽自動車でシビアコンデションで使用される場合の推奨交換サイクルは6ヶ月又は7.5千キロとされています…

普通車や軽自動車のターボ車の推奨交換サイクルは6ヶ月又は5千キロ毎で通常のエンジンの交換サイクルの1/2~1/3位の距離での交換が推奨されています…

普通車や軽自動車のターボ車などでシビアコンディションで使用される場合の推奨交換サイクルは3ヶ月又は2.5~5千キロです…

エンジンオイル オイル交換サイクル 国内メーカー

使用状況による交換サイクルの大きな違い…

上の表は一般的な国内メーカーが推奨するエンジンオイルの交換サイクルです…エンジン型式や使用燃料により交換サイクルは変わってきます…

又…正確な交換サイクルは車種別に各車両に常備されている…取扱説明書やメンテナンスノートを確認されてください…

上記の表(メーカー推奨の交換サイクル)から読み取れることは…エンジン性能などにより交換サイクルにかなりの幅があると言うことです…

またクルマの使用状態にもより大きく違いがあります…ターボ車をシビアコンデションで使用される場合は全合成油を使用された方がよろしいのではと感じます…

◎メーカーの言う1.5万キロ交換サイクルの条件…

メーカーの言う通常のクルマの使い方とは…カタログ数値記載の平均燃費を測定する走行状態と考えて頂いて宜しいかと思います…

要するに…外気温20度C前後の環境でエンジンに最低限の負担しかかからずに走行した場合には1~1.5万キロの交換サイクルでも良ろしいという事です…

さらに日常点検や定期点検を確実に実施した上でクルマが適正に管理されている状態での交換サイクルということです…

よって…気温が低い場合や重負荷時・坂道の多い環境で走行される場合…チョイ乗りが多い場合などはシビアコンディションとなります…

要するに…エンジンが高回転・高負荷時…更にたまにしか乗らない走行がシビアコンディション状態でその場合のエンジンオイルの交換サイクルは通常の約半分の距離ということです…

メーカーでは言及していませんが…整備管理者としては…特別保証が切れて5年・10万キロ以上走行する場合もシビアコンディションと考えています…

◎カーショップ・スタンドのエンジンオイルの推奨交換サイクル

カーショップやスタンドなどに行くとオイル交換を勧めてきます…その際の推奨交換サイクルは3~5千キロが多いのではないでしょうか…

ターボ車や軽自動車などは3千キロ毎がいいですよって勧めてくると思います…カーショップで作業していた頃は私も上記のキロ数で勧めていました…

この事は今でも間違っていなかったと自負しています…根拠は何かということを後ほど説明します…

ただ…同僚の多くは遅いよりも早めに交換した方が良いだろう…という程度のレベルだったと思います…

◎昔の交換サイクル

30~40年前頃まではオイル交換は5千キロ毎が一般的でした…オイルゲージを抜いて目視で確認して汚れが目立つキロ数だったということです…

ディラーに勤務していた頃でメーカーの推奨交換サイクルも1万キロとかはなかったと思います…

その頃は長く維持したとしてもクルマの代替えサイクルも10年・10万キロが一般的だったのではないでしょうか…オドメーターも5桁でしたよね…

営業車(タクシー)も6年・50万キロくらいで代替えしていました…ガスボンベの交換時期も来るし年間8万キロも走っていましたし…

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◎メーカーの思惑

メーカー推奨のエンジンオイルの交換サイクルが長期化してきたのは20年ほど前からなのではないでしょうか…

オイル交換サイクルの長期化されて来たことに対してのメーカーの回答はみなさんがよくご存知だと思いますが…

エンジン性能の向上…オイルが汚れにくい・抵抗が少ない・酸化しにくい構造のエンジンに改良されて来たということと…

エンジンオイルの性能向上により今までよりもエンジンオイルの交換サイクルは長くても良いとのことです…

果たして本当にそうなのか…1~1.5万キロ毎でオイル交換をした場合にクルマは何年何万キロまで高額修理しないで使用できるのか

因みにこの高額修理とはエンジンやミッションが壊れて修理するよりも同レベルの中古車を買った方が良いと思われる作業工賃が発生つる金額と考えていただいてもよろしいのではないでしょうか…

金銭面も含めて深掘りしていきましょう…

◎景気低迷にもかかわらず高額化する車両価格の意味するところ~

景気低迷にもかかわらず高額な車が次々に発売されます…

軽自動車や中古車の販売台数は増えているとはいうものの普通車クラスは減っていっているのが現状の中で一体何を意味するのか…

◎クルマ使用期間の長期化

以前であれば永くとも10年・10万キロであった代替えサイクルが20年・20万キロになるのではないかと思うくらいみなさん永く乗るようになりました…

軽自動車でさえも(下記リンク参照の事)一台当たりの永久返納(永久抹消)までの年数は15年にもなります…

これだけ長く使用する様になれば…一台当たりの車両販売単価を高くしなければ企業を維持することができないという事ですよね…

「軽自動車の新車登録から永久抹消までの年数の推移」

https://www.keikenkyo.or.jp/information/attached/0000020088.pdf

◎5年10万キロの保証の意味するところ

メーカーの一般保証は2年・5万キロ…エンジンやミッションなどの特別保証は5年・10万キロです…これは何を意味するかというと…

ご存知のように5年・10万キロまでは通常の使用でエンジンやミッションが壊れた場合には無償で修理しますという事です…

そして…5年・10万キロを超えて壊れた場合には有償修理という事です…メーカーの保証・製造責任は例外を除いてここまでという事です…

◎故障タイマー

エンジンオイルのメーカー推奨交換サイクルは1~1.5万キロ毎だけど…それは5年・10万キロの保証期間が過ぎたらエンジンが壊れても知らない…

ということにならないだろうか…嫌な見方・考え方で申し訳ないのだが…整備管理者として営業車をメンテナンスしているとそんな事を考えます…

5年・10万キロ以上走行使用される場合にはシビアコンディションでオイルの管理を考えられた方が良いのではという事を言いたいのです…

そしてその交換サイクルは遅くとも5千キロ毎にということにならないだろうかということです…

冷寒時発進や坂道などを走る機会が多い場合は…余裕を見て3~5千キロ毎のエンジンオイルの交換サイクルでもよろしいのではということです…

車が壊れにくくなったのは前記した様にエンジンやエンジンオイルの高性能化ももちろんあると思いますが…

エンジンが故障しないのはオイル交換の頻度…

それ以上に皆さんがオイル交換を頻繁にされる様になり…クルマを大事に永く乗りたいという意識が高まったことが最大の要因ではないでしょうか…

私がディラーの整備士時代はオイル交換と言うと安くても5千円以上かかっていました…最近は2~3千円から出来ますよね…

店舗もたくさんあり気軽にエンジンオイルの交換を依頼することができる環境になっています…このオイルの交換頻度が多くなったことが…

メーカーの言うエンジン性能やエンジンオイルの性能よりも…車が壊れにくくなった大きな要因なのではないかとも考えています…

◎メーカーにとっての不都合な真実

疑った言い方で申し訳ないのだが…メーカーとしてはクルマはある程度走ったら壊れてもらわないと困る

それは特別保証が切れた後あたりにエンジンやミッションが壊れてもらうのが最も理想的な商売ができるということに繋がるのでは…

・エンジン損傷が代替えの目安

そして…エンジンやミッションの故障を境に高額な金額を払って修理するか…もしくは代替えも視野に入れると言う選択になるのではないでしょうか…

実際…1万キロ毎のオイル交換でも10万キロまでは故障なしで走ると思います…但し…静粛性やエンジンフィーリングは5千キロ毎に交換した方がずっと良いのではと考えます…

病院も患者がいないと困る・警察も犯罪がないと困る・武器製造メーカーも戦争がないと困る…そして…クルマも壊れないと困る…

日本国民はあまりにも素直過ぎます…情報に惑わされることなく自分で調べ・自分で考えることが大切です…

◎タクシーの長期使用化に対するトヨタの気持ち

現在…営業車は15年・70万キロ以上使用します…

トヨタはジャパンタクシー開発にあたり…かなり渋っていたと聞きます…新型タクシーを発売したとしても需要はあるのか?…

従来の現行乗用車を改良してタクシー仕様にするつもりでいたものをガス関連業界やタクシー業界からの強い要望で開発したとの事です…

国の税制面での優遇や業界団体からの確約…具体的に言うと年間あたりの買取台数…ジャパンタクシーのオリンピック仕様車もその1つです…

景気低迷がもたらした営業車の長期使用化…

景気が低迷し営業車も長期使用に変わってきています…故障しない様にオイル管理など整備管理は以前より確実に実施する様になっています…

営業車の整備管理者として20~30万キロでエンジンやミッションを壊していたら車両整備管理者として失格です…

整備管理が適正になされていないからです…その中で最も重要な整備管理がオイル管理だと長年の経験で言い切れます

長期使用を考えたメンテナンス…

乗用車でも一昔前の10年・10万キロ走行で代替えを考えているのならば…メーカー推奨のオイル交換サイクルでなんら問題ないと思います…

しかしそれ以上に乗り続けたい・新車時のエンジンの静粛性・発進加速性能やエンジンフィーリングを永く保ちたい

そう思われているのであれば…3~5千キロ毎のエンジンオイルの交換サイクルでも早いとは言い切れないと言うのが私の意見です

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◎カーショップ・スタンドの思惑

カーショップやスタンドなどの勧める交換サイクルは前記した様に3~5千キロです…どの様な根拠でこの様な交換サイクルを勧めてくるのでしょうか…

・何と言っても売り上げ

1つは何と言っても売り上げですよね…少ない利益でも数をこなして収益を上げる…クルマ使用者はオイル交換は必ずやらなければいけないものだし…

・お得意様確保と店への誘導

また…カーショップに於いてはオイル交換が無ければ余り行く用事のないところです…

オイル交換の価格を抑え交換頻度を上げることにより店への誘導を増やす…そして他の部品交換や不具合の修理を促して利益を上げる…

実際に勤務していたから分かるのですが…工賃無料キャンペーンなどもあるのでオイル交換だけではほとんど利益は発生しないのが現状です…

・オーディオなど店内品販売への誘導

カーショップなどではオーディオやタイヤなどを売って始めて大きな利益が生まれます…オイル交換はその為の販売戦略です…

オイル交換作業中に店内に来られたお客様をいかに接客し高額商品を購入して頂くかで販売員の評価が上がります…

カーショップなどで3千キロ毎のオイル交換を勧めるのは上記の都合によるところが大きいです…

但し…間違いではありません…確かにオイルの汚れも確認できるし何より交換した後のエンジンフィーリングは明らかに良くなります…

3千キロ毎でも交換しないよりは良いと言うことです…

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◎整備管理者の勧める交換サイクル

クルマの整備関連の業界で40年以上勤め現在20年近く営業車をメンテナンスしている整備管理者として適正な交換サイクルを回答します…

回答は1つではありません…それぞれの乗り方・使用状況によってオイル管理・オイル交換サイクルも変わってきます…

○3~4千キロ又は1年毎の交換サイクルを勧めるクルマの使用状態

・クルマを永く乗りたいと思われている方~

メーカーの特別保証が終わった後も末永くクルマを維持・使用したいと思われているのであれば3~4千キロ毎の交換を勧めます…

最近は20年・20万キロ以上乗られる方も珍しくありません…日常点検と同時にオイル管理をシッカリされていれば不可能なことではありません…

クルマが古くなったから早めにオイル交換しようでは遅いです…「はじめ良ければ半ばよし…終わり良ければすべて良し」です…

・ターボチャージャー車・スーパーチャージャー車

ターボチャージャーやスーパーチャージャーの回転軸は高速で回転します…その回転軸にもエンジンオイルが使用されています…

オイル切れによる軸破損・オイルシール破損によるオイル漏れ…またはエンジン内に流入しパワーダウン・オイル減少につながります…

できたら高性能車は交換サイクルのみならず全合成油などの高性能オイルを使用されることを勧めます…

エンジンオイルに関しては下記サイトで詳しく説明しています…参考にされてください…

・シビアコンデションで使用されている方

渋滞走行や坂道走行・冷寒時発進などエンジンに通常の状態よりも負担が多くかかる走行をされる場合…

私から言わせるとエンジンは常にシビアコンデションの状態で使用されているのではと思わされます…

エンジンが暖気しないのに発進したり…渋滞でのアクセルとブレーキペダルの操作の繰り返しによるエンジンへの負担…

重積載やチョイ乗り使用でのエンジンへの負担…この様な場合も非常にエンジンに負担が掛かります…

○4~5千キロ又は1年毎の交換サイクルを勧めるクルマの使用状態

・一般的な利用をされる方

一般的なクルマの使用頻度とは1年・1万キロ走行される方が基本とされているのではないでしょうか…

メーカーの推奨オイル交換サイクルの数値からも読み取れるし一般的にそれに近いクルマの使用頻度だと思われます…

この様に一般的な使われ方をしている場合でも最低でも5千キロに一回の交換を勧めます…

それは1万キロ毎だと5千キロ毎に比べて明らかにオイルの汚れも目立ち・エンジン音もかなり高くなってきます…

新車のうちは良くても5万キロを超えるとエンジン音の静粛性の違い(5千キロ毎で変えてるか1万キロで変えてるかで)が明らかに出てきます…

現在は営業車でのメンテナンス上でしか確認できないのですが…1万キロ毎の交換サイクルのリスクは保証期間が過ぎてから出てくるのではと心配します…

5千キロ毎でのオイル交換のもう1つの根拠は…交換時期を管理しやすいと言うことです…毎日見るメーター内で確認できます…

○1万キロ交換または1年毎の交換サイクルで良い場合

年に3~5千キロ以下しか走行されない方…たまに居ます…その様な方でしたら年に一度の交換でも大丈夫でしょう…

ただし…冷寒時などは最低でも5~10分暖気運転してから発進しましょう…

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◎まとめ

オイル交換サイクルに付いて述べてきましたが…ここに書き綴ったのはあくまでも整備管理者として経験・体験してきたことの見解です…

メーカーはオイル管理に対してそれ以上の研究・実験・経験を蓄積しての数値を出してきているとは思いますが…

営業車のメンテナンスを行う現場からの意見として頭に入れて置いていただければ幸いです…

最終的な判断は各個々人が行うものであって私の意見を押し付けるつもりは毛頭ないと言うことを最後に付け加えて文章を閉じます…

テレビ・新聞…もちろんネットのみならず色々な人からインプットしご自分の愛車に合ったメンテナンスを行ってください…

ではまた次回の記事でお会いしましょう…

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