最新!クルマのリコール情報と解説「 ダイハツハイゼット 他 一部車種」の オートマチックトランス(A/T) ミッション に 不具合 (故障)
ダイハツ工業株式会社(ダイハツ自動車」は令和3年1月28日、国土交通大臣に対してダイハツ ハイゼット・アトレー、OEM車のサンバー、ディアス、ピクシスバン、ピクシストラック、他、一部車両において電気装置(自動変速機)オートマチックトランス(A/T) ミッションの不具合(故障)によりギヤチェンジが正常に行われない可能性があるとのことでリコールの届け出を行った
対象車両は624,105台で不具合件数は35件報告されており、物損事故も1件報告されています
既にDMや電話等で案内はされていると思いますが、リコール対象車両に該当しているユーザの方はメーカーやディーラーに連絡を取り速やかに改善対策を行うようにとのことです
リコール開始日は令和3年1月28日からです
リコール改善対策済みの車両には運転席シート下の車体番号が打刻されている位置の右側に黄色いペイント塗布する
ハイゼット情報提供元ソース
ダイハツ ハイゼット 他の一部車両の不具合内容
不具合内容は動力伝達装置である自動変速機(オートマチックトランスミッション)の部品の1つであるバルブボディー内の異常摩耗によりオートマチックトランスミッションを制御している制御系統に油圧漏れ(注1)が発生するとのことです
注1~バルブボディー内の制御系統に正常に油圧がかからずオートマチックトランスミッションが正常に作動しない状態になる(例えば…水鉄砲のピストンを押した場合に密閉が悪く水漏れしてしまうような状態)
バルブボディはオートマチックトランスミッションの下部に一体で取り付けられており内部にはオートマチックトランスミッション(ATF)が充満しています
またバルブボディー内で油圧漏れが発生した時にオートマチックトランスミッション(AT)制御コンピューターのプログラムが不適切なため故障検知が正しく行われない場合がある
そのためそのままの状態で使用を続けると油圧漏れが更に大きくなり最悪の場合、意図せぬオートマチックミッションのギヤチェンジが行われ一時的に急減速する恐れがあるとの事です
ハイゼットの不具合の改善内容
オートマチックトランスミッションのバルブボディーの異常摩耗の検証に時間を要するので全車両AT専用コンピューターのプログラムを対策プログラムに書き換えるとともに油圧漏れを点検し油圧漏れが確認できた場合にはバルブボディーを新品と交換する
なおバルブボディーの異常摩耗については原因が特定でき次第必要に応じて処置を講じるそうです
バルブボディーはオートマチックトランスミッションの心臓部とも言えるところでATF(Automaticトランスフルード)の油圧を利用してコンピューター制御によりギヤチェンジを行っています
元整備管理者のミッションの解説とクルマの豆知識
バルブボディが壊れることによってオートマチックトランスミッション関係のあらゆる不具合が発生します(※バックに入らないとかギアチェンジが行われないとかetc)
バルブボディにはオートマチックトランスミッションフルードの流れを変えたり油圧を開閉するソレノイドバルブやバルブボディ内の油温を検知するセンサーなどが取り付けられています
またバルブボディに取り付けられているニュートラルスタートスイッチは現在のギアの位置を検知しコンピューターにフィードバックします
バルブボディの油圧漏れの原因に関してはいろいろなことが考えられます
設計段階でのバルブボディーの不適切な寸法取りソレノイドバルブやOリングなど材質や耐久性の問題、オートマチックトランスミッションフルード(ATF)との相性の問題等あります
バルブボディはオートマチックトランスミッション下部のオイルパンを取り外すと現れます
ここで車の前進や後退、低速や高速のギヤチェンジをソレノイドバルブを使い制御しています
バルブボディを上下に切り離した画像です
内部は入り組んだ通路(油道)のようになっておりこの中をATF(オートマチックトランスミッションフルード)が通りソレノイドバルブにより通路の開閉等が行われ変速操作が行われます
画像上のほうにある円筒形(6個)がソレノイドバルブです
今回のディーラーの届出内容にもありますが油圧漏れに関してある程度の時間がかかるのは仕方のないことと思われますが…
届け出によると、どのような物損事故か詳細に関しては明記されていないので分かりませんが…現実に一件発生しています
メーカーに於いては一刻も早い原因追求と改善を望むとともに当該車両を所有されているユーザの方々もリコール対応で改善対策を行ったとしても常日頃の車の状態を観察し異常があった場合には直ちにディーラー等に連絡を取り対応されるようにしてください
ミッションのバルブボディーの不具合は本当に厄介です
1つはバルブボディーを分解して点検・組み付けするにしても専門的な知識を必要とするとともに分解にあたっても徹底した管理や専用工具が必要になります
ミッションのバルブボディーを分解して修理できる職人はあまりいないのではないかと感じていますそのためにオートマチックトランスミッション等が不具合を起こした場合は専門的な知識を持って分解整備している業者にリビルト品を依頼してアッセンブリー交換するというのが一般的です
当然のように作業工賃もリビルト品などを合わせると高額な料金になります
今回のリコールとは関係なく一般のオートマチック車に乗られているユーザにおいてはATFの適正な管理はもちろんのこと車を乗られる際にも乱暴な運転や車に負担のかかる運転をしないように心がけることがAT(オートマチックトランスミッション)車を長く快適に乗るための秘訣でもあります
自動変速機講座(A/T) ミッション
自動変速機についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
「知りたい油圧講座」参照〜株式会社不二越
https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/tec/pdf/31D1.pdf
ハイゼット 他リコール詳細
リコール対象車両の車種と車体番号・製造期間・台数の詳細
国土交通省 ハイゼット リコール届出資料
関連記事(内部リンク)
ディーラー問い合わせ先・相談窓口
全国のダイハツディーラー検索